ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > 子育て・文化・スポーツ > 芸術・文化 > 芸術・文化イベント情報 > 安曇野市文書館 > 令和6年度安曇野市文書館前期企画展「今に繋ぎ、伝えてきた区の史実」

本文

令和6年度安曇野市文書館前期企画展「今に繋ぎ、伝えてきた区の史実」

記事ID:0112827 更新日:2024年5月12日更新 印刷ページ表示

前期企画展「今に繋ぎ、伝えてきた区の史実」

現在、市内には83の行政区があり、地域のコミュニティを形成しています。令和6年度前期企画展チラシ
その地域コミュニティが果たしてきた行政や文化、福祉などの歴史や役割について、区有文書(区が保有している文書)を手がかりに紹介します。

期 間  令和6年5月12日(日曜日)から8月30日(金曜日)
     午前9時から午後5時まで
     休館日:土曜日、祝日

場 所  安曇野市文書館1階閲覧コーナー

費 用  無料

令和6年度安曇野市文書館前期企画展チラシ [PDFファイル/5.99MB]

展示内容 ・関連講演会・講座

展示内容

 現在、安曇野市内には83の行政区があり、地域のコミュニティを形成しています。各区には、公民館組織があり、区民が集う生涯学習の拠点となっています。また、産土神と呼ばれる神社では、祭りや地域の行事が継承されています。そんな地域コミュニティが今、転換期を迎えています。
 安曇野市文書館では、令和3(2021)年から区の歩みを後世に伝えていくため区有文書の収集と保存利用を呼びかけてきました。地域コミュニティのあり方が変容しようとしている現在、この資料を保存利用する意味は大きいと考えています。
 この取組の成果を市民に紹介しながら、各区が有する資料の価値についての理解を広め、収集の範囲を広げる機会とします。

展示の様子1 ←展示の様子

1 地域コミュニティの変遷

近世 入会林(いりあいりん) ~今につながる共同管理の精神〜

 江戸時代において、入会林は食物の煮炊き等の燃料となる薪(たきぎ)・ぼや、田畑の肥料となる苅敷(かりしき)、そして牛馬の飼料となる馬草(まぐさ)・藤葉(ふじば)などの供給地であり、人々が生活していく上で欠くことができない場所でした。
 戦後、燃料面においては薪がプロパンガス・石油に、肥料面においては苅敷がれんげ田から化学肥料にとって代わられ、また飼料面においては馬が動力農機具にとって代わられたことで馬草の需要がなくなり、それらの供給地としての入会林はその歴史的役割を終えました。時は移り、現在入会林は上質な木材供給地としてその姿を変え、生産森林組合等地域の皆さんがその管理を引き継いでいます。

近世 雨乞い ~村人総出で実施〜

 田植え後から稲に実が入るまでの期間、安定した用水が不可欠なのは今も昔も変わることはありません。江戸時代、旱魃(かんばつ)の際には松本城内・在方において雨乞いの神事が行われました。ここでは、岩原村において雨乞いが行われた事を示す古文書を紹介します。

繋がる地名

 江戸時代前期、寛永年間(1624年から1644年)に松本藩が作成し、明治36(1903)年に筆写された「信州筑摩郡安曇郡画図」を見ると、現在の安曇野市内の区名が村名として記されています。その数は51(安曇野市83区)になります。400年の年月を経て繋がれた地名です。
 また平成16年に合併協議会で「住所表記についての住民アンケート」をとりました。63%の人が旧町名か字名を残すことを希望していました。今まで親しんできた地名への愛着の表れでしょうか。

2 地域コミュニティの役割

講(こう)

 安曇野市域に見られる講は、近くに生活をする仲間が集い、地域社会の安全や農作物の豊穣を願って、行われてきた行事です。庚申講(こうしんこう)や戸隠講、善光寺講、御嶽講、念仏講などがあります。しかし、昭和時代後半の高度経済成長期を契機に、講から抜ける家庭が出始めるようになりました。そして、新型コロナウイルス感染症による行事の自粛が、講の衰退に決定的なものとなりました。

防災 ~地域を災害から守る~

 非常備の消防機関として消防団があります。安曇野市域各地区の消防団設立は、各町村誌を見ると南穂高村踏入明治45(1912)年・穂高町明治27(1894)年・明盛村野沢明治34(1901)年・烏川村明治40(1907)年・七貴村明治28(1895)年にそれぞれ村会によって設立が認められています。
 今回の展示では、下堀区に残る下堀消防組「夜警日誌」を紹介します。その他にも、下長尾区文書には、明治期にポンプ車の購入記録が、等々力区有文書には夜警に関わる会計文書が確認できます。

戦時期 ~銃後の守りとして戦争に加担~

 第一次世界大戦中の好況下の日本における奢侈的社会風潮への批判から、各家庭における生活改善の動きが各地区で「節約規定」や「生活改善申合書」として、見られるようになります。
 また、区有文書の中には「軍事郵便」が残されています。そこから、家族以外に地元の青年団や区(耕地)からも郵便以外にも慰問の品が送られていたことがわかります。

近代 ~生活に密着していた区や耕地~

 明治新政府の指令により、政治改革が次々と進められました。明治22(1947)年、町村政施行により、幕末当時の村名の多くは消えていきました。しかし、安曇野市域では、旧村の自治組織は耕地と呼ばれ、社会生活が円滑に行われるように統計調査や衛生、徴税、普請、共有林の管理など、現町村と深い関りを持っていました。この自治組織は、戦時体制が進展するなかで、翼賛体制を担う存在となっていくことになります。

公民館活動 ~地域住民の自主性と責任性を基盤に~

 戦後、社会教育の振興が叫ばれ、学校ではPTA、各自治体では公民館の設置が進められていきます。安曇野市域の各町村公民館には、分館が設置されました。「有明村公民館々則」(昭和25(1950)年4月1日制定)によると「第二条 本公民館は分館を左の通り設置する。橋爪(はじづめ)、耳塚(みみづか)、嵩下(たけのす)、新屋(あらや)、古厩(ふるまや)、立足(たてあし)、宮城(みやしろ)、小岩岳(こいわたけ)」とあり、旧村名が分館名として明文化されています。

3 安曇野市 区のあゆみと課題

 平成17(2005)年10月に発足した安曇野市では、区(旧5町村)の調整や協働の仕組みづくりを目的とした地域区長会連絡会を設置しました。平成19(2007)年4月「安曇野市区長会会則」が施行され、安曇野市区長会が発足します。
 平成29(2017)年3月に施行された「安曇野市自治基本条例」第24条に区の役割として「区は、支え合い及び助け合いを土台に地域課題を解決することにより、地域福祉の向上及び安全かつ安心な地域を創り出すよう努めるものとする」とあります。区長会の研修内容を見ると、まさにその役割の実践のための研修であると同時に課題解決のための苦慮している様子が伝わってきます。
 今に繋ぎ、伝えてきた地域コミュニティの今後について、自分事として考えていきましょう。

関連講演会・講座

※申込み開始日時は、広報あづみの・市ホームページでお知らせします。
※手話通訳・要約筆記については、各会開催日の2週間前までにご相談ください。

講演会「過疎化の中で地域資料を守る」

近現代の安曇野を知る手がかりは区有文書です。その文書の持つ価値を紐解きます。講演会講師

(1)日時 6月16日(日曜日) 13時30分から15時(開場13時)

(2) 場所 堀金公民館講堂

(3) 講師 相川 陽一 氏(長野大学環境ツーリズム学部教授)

講座「地域コミュニティを生きる」

区や常会、耕地と呼び名は変わってきましたが、現在にまでつながる地域コミュニティの変遷や果たしてきた役割、そして現在の課題について、当館に寄贈・寄託された区有文書などを通して考えます。講座「地域コミュニティを生きる」

(1)日時 5月19日(日曜日) 13時30分から15時(開場13時)

(2)場所 堀金公民館講堂

(3)講師 平沢 重人(安曇野市文書館館長)

講座「文書等からひもとくお宮あれこれ」

「お宮=お祭り」のほかにお宮とはどんなものだったか、文書等から新たに発見した歴史や文化をお話します。講座「お宮あれこれ」画像

(1)日時 7月21日(日曜日) 13時30分から15時(開場13時)

(2)場所 堀金公民館講堂

(3)講師 西澤 洋明 氏(「下鳥羽の古文書を読む会」代表)

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

皆さまのご意見を
お聞かせください

お求めの情報が充分掲載されてましたでしょうか?
ページの構成や内容、表現は分りやすかったでしょうか?
この情報をすぐに見つけられましたか?