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収蔵作品紹介(漆飾皿)

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年10月29日更新

漆芸-漆飾盤
豊松の島
【豊松の島】
制作年:1993年
サイズ:415×415mm
朱の鮮やかな作品である。題名からしても、見た目からしても、和風の趣を感じさせる作品であるが、伝統的なモチーフの型が使われているわけではない。デザイン化された表現を使用し現代的でありながら、日本的な美観を演出することに成功している作品と言えよう。
もっとも漆芸の伝統には、長い歴史の中で千鳥文様、片輪車文様、波文様、草花文様などデザイン化されたモチーフが考案されてきた経緯があり、デザイン性と漆芸作品は強く結びついた関係にある。それは、伝統的な工芸作品における日本的な美の表現全般に言えることかもしれない。
優れた作り手というものは素材の声を聞く耳に優れ、その魅力を引き出す腕に優れるとされるが、この作品もデザインとの相性のよさという漆芸の特質が生かされたものとなっている。
その昔、朱漆は天然の顔料(辰砂など)が高価であったため常用の器には用いられず、大寺院や貴人用のハレの食器として朱漆椀が使われた。朱漆の色彩が華やかで題名もめでたいこの作品も、ハレの日にそっと飾るのがふさわしいのかもしれない。