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高橋節郎の技法

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年10月29日更新

鎗 金(そうきん)


鎗金日本でいう「沈金(ちんきん)」の中国での呼び名が鎗金であるが、高橋節郎は、沈金技法をもとにしながら、いろいろ工夫を施し、線の細い表現により、金の濃淡や陰影の効果などを可能とした。伝統的な沈金とはやや異なっているため、高橋節郎はあえて自分の技法を「鎗金」と呼び、区別している。
漆を塗り重ねた面に刀で文様を彫り、その溝に漆を接着剤としてすり込んで、漆が乾く間際に金箔や金粉を埋める。はみ出た余分な金を拭き取り、刻線内の金だけを残すようにする。すると、刀で彫った線が金で表わされることになる。

 

 

 

螺 鈿(らでん)

螺鈿夜光貝、蝶貝、あわび貝などの貝類、牙角類、べっこう、水晶、琥珀、その他宝石のようなものを、漆を塗り重ねた面に貼ったり、はめ込んだりして装飾することを、螺鈿という。
貝などを切ったり薬品で腐食したりして、文様の形にする。これを漆の面上に配し、装飾するのには、いくつかの技法の違いがある。文様の形の貝を面の上に貼り、その上からまた漆を塗り重ね、表面を平たんにしてから貝のある部分だけを砥ぎ出す方法。これは、地の面と貝の面が同じ高さになる。(研出螺鈿、薄貝螺鈿)一方、漆塗の面をあらかじめ貝の文様の形に合わせて掘り込んでおき、その中に貝を入れて接着する方法は、厚みのある貝が地の面より高く出て、立体感のある仕上がりになる。(肉彫り螺鈿、厚貝象嵌)


 

蒔絵(まきえ)  

蒔絵のイメージ写真漆塗の面の上に漆で文様を描き、上から金粉や銀粉、色粉などを蒔いて、それらの粉を定着させて文様を表わす方法。奈良時代から、日本において最も発達を遂げた技法であり、さまざまな手法が生まれた。
金粉などを蒔きつけた上から、漆を何度も塗り重ね、その後金の文様が現れてくるまで漆の面を平らに研ぎだす「研出蒔絵(とぎだしまきえ)」、金粉が定着した上から金の文様が透ける程度に薄く漆を塗り、表面を磨いて仕上げる「平蒔絵(ひらまきえ)」、漆で文様を描く際に、漆や灰の粉などで文様の部分を高く盛り上げ、その上に金粉を蒔き、平蒔絵と同様に仕上げる「高蒔絵」、高蒔絵と研出蒔絵の併用であり、高蒔絵の上から漆を塗り重ね、平らな面と盛り上げた面を高低に沿って同一面上に研ぎ出す「肉合(研出)蒔絵(ししあいとぎだしまきえ)」などがある。

 

乾 漆(かんしつ)  

乾漆のイメージ写真木や粘土石膏などの型の上から、漆(木の粉や焼土を混ぜる場合もある)と麻布を貼り重ね形を整えて、漆塗で仕上げて像を作る手法。技法そのものは正倉院宝物の中にも見られるが、奈良時代から仏像の制作に取り入れられ発達した。
型の上から漆で麻布を貼り、その型を抜いてしまい、漆塗で仕上げる方法を「脱乾漆(だつかんしつ)」といい、軽い造形作品ができる。一方、木の型を抜かずに仕上げる方法を「木芯乾漆(もくしんかんしつ)」といい、高橋節郎はこの方法を用いて、立体的な抽象造形作品を制作している。