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収蔵作品紹介(バラとカラジウム)

記事ID:0001950 更新日:2015年10月29日更新 印刷ページ表示

収蔵作品詳細
バラとカラジウム
【バラとカラジウム】

種類:漆パネル
制作年:1950年
サイズ:450×380mm

赤と緑の色漆を用いた絵画的傾向の強いパネル作品である。
この時期高橋節郎は制作方向の転換に乗り出そうとしていた。伝統的な漆芸の表現様式から脱却し、作品を実用に供されるものとしてでなく純粋に鑑賞を目的としたものへと変えていく。
もともと漆で絵を描きたいという意識が強かった。しかしそれまではあくまで伝統的な作品形態、表現手法、モチーフの範疇で、色漆の多様などによりその思いを形にしてきた。それが1949年頃より、大きく伝統の領域から踏み出した作品を発表していく。
この作品のように、パネルという形態は、伝統的な箱や棚、茶道具のように実用的なものではなく、表現したいものをその面に表現する、そのための形態と言うことができる。
漆パネルは節郎の代表的な表現形態として今日まで制作され続けている。この後手法やモチーフなどの面でもさらに純粋美術的な傾向を強めるとともに、絵具で描くのではない、漆だからこそ可能となる美しさ、表現を同時に追求した結果、色漆による多彩な表現から次第に黒と金を主体とした表現への集約がなされていく。「バラとカラジウム」は、転換期のひとつの段階としてとらえられる貴重な作品である。