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収蔵作品紹介(乾漆立体)

記事ID:0001941 更新日:2015年10月29日更新 印刷ページ表示

漆芸-乾漆立体作品

神々の山【神々の山】
制作年:1998年
サイズ:770×380mm
高橋節郎は90年代半ばからこの作品のような立体作品を展覧会に発表し高い評価を受けている。あまり試みられてこなかった漆による自由な立体表現、それも漆にしか出せないよさや面白みを追求したうえでの立体という点が認められたのである。
そもそも漆による現代的な立体造形の試みは50年代から始められ、数々の造形的な籃胎花器を展覧会に出品している。(籃胎漆器とは、竹で編んだ器胎に漆を塗ったもの)
また80年代末には、石膏などで形を作りその上から麻布を漆で貼り重ね乾いてから型をはずす脱活乾漆という手法でやはり造形的な壷の作品を制作している。そして90年代からは木芯乾漆という木を型とする手法をとっている。
比較的短時間で仕上げられ形に制約が生じない手法で、自らのイメージを率直に作品に反映させることを第一義として研究を重ねた結果たどり着いた手法と言えよう。
「神々の山」と題されたこの作品は磨かれた黒漆が独特の光沢を放っており、まさに「研ぎ澄まされた」という感じを受ける。見る者の心に静けさや緊張感をもたらし、永遠なる時の流れや大きな存在を想起させる。日本古来の伝統である漆の力が、作品の力強さとして現れているのだろう。