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収蔵作品紹介(青風)

記事ID:0001956 更新日:2015年10月29日更新 印刷ページ表示

収蔵作品詳細
風青の書
【青風】
種類:書
制作年:1991年
サイズ:330×520mm
高橋節郎の書のスタイルは、手漉きの和紙に赤、緑、黄などの絵具で薄く、筆の穂を押さえたような文様をつけ、そこに文字を書くというものである。文字の形だけでなく、その背景に施された文様も含め、全体でひとつの作品世界を表わしている。
またこの作品では、濃い灰色の角型の紙の中央に、白い扇型の紙を抜くような形態がとられている。字、文様のほかに紙面の形や色などの要素も加わって、作品として完成されている。
春が終り夏の初めに、木々の葉が勢いを増し茂り始めた万緑の中を吹き通る風を、「青風」と呼ぶことがある。
この作品の書体は、力強く、生き生きとしていて、勢いがあり、まるで紙の上に風が吹き渡っているかのような印象を受ける。梢や葉を揺るがす風が、その青を吸い取ったかのように、爽やかに吹き付けてくる。想像の力を膨らませることによって、この作品の前に立つとき、そんな風を感じることができるのである。