本文
第2部
あらすじ
主な舞台は、1901(明治34)年に相馬愛蔵・良夫妻がパン屋「中村屋」を創業した東京へ移ります。
相馬夫妻は、中村屋の更なる飛躍を目指して東京・新宿に支店を開設します。
第1部、第2部の主人公ともいえる荻原碌山は、アメリカ・ニューヨークを経て、フランス・パリでオーギュスト・ロダン作「考える」を見て感動し、彫刻家を志すようになります。
碌山は、パリから帰国した後、中村屋の近くにアトリエを構えました。
相馬良への思いを募らせながら作品の制作に没頭。絶作となる《女》を完成させ、1910(明治43)年に30歳という短い生涯を閉じた碌山の最期までを描きます。
主な登場人物
人物名 | 肩書 |
---|---|
井口 喜源治(いぐち きげんじ) | 教育者 |
石川 三四郎(いしかわ さんしろう) | 社会運動家、作家 |
大杉 栄(おおすぎ さかえ) | 社会運動家、思想家 |
荻原 守衛(おぎはら もりえ) | 彫刻家 |
木下 尚江(きのした なおえ) | 社会運動家、作家 |
国木田 独歩(くにきだ どっぽ) | 小説家、詩人 |
幸徳 秋水(こうとく しゅうすい) | 社会主義者、思想家 |
堺 枯川(さかい・こせん) | 社会主義者 |
相馬 愛蔵(そうま あいぞう) | 実業家、中村屋創業者 |
相馬 安雄(そうま やすお) | 相馬夫妻の長男、中村屋2代目社長 |
相馬 良(そうま りょう) | 実業家、中村屋創業者 |
高村 光太郎(たかむら こうたろう) | 詩人、彫刻家、画家 |
田中 正造(たなか しょうぞう) | 政治家 |
戸張 孤雁(とはり こがん) | 彫刻家 |
中原 悌二郎(なかはら ていじろう) | 彫刻家 |
中村 彝(なかむら つね) | 洋画家 |
星野 天知(ほしの てんち) | 教育家、武道家 |
関連年表
年 | できごと |
---|---|
1903(明治36)年 | 荻原守衛がニューヨークを離れてフランスへ。 |
1904(明治37)年 |
日露戦争が始まる。 荻原守衛がフランス・パリでオーギュスト・ロダン作「考える」を見て感動し、彫刻家を志すようになる。 |
1907(明治40)年 |
相馬夫妻が新宿に中村屋の支店を開設する。 荻原守衛が「碌山」を名乗るようになる。 |
1908(明治41)年 | 荻原碌山が日本に戻り、新宿中村屋に出入りするようになる。 |
1909(明治42)年 |
中村屋の新宿支店が本店となる。 碌山をはじめ、さまざまな美術家、文学者が新宿中村屋に出入りすようになり、「中村屋サロン」が形作られ始める。 |
1910(明治43)年 |
荻原碌山が相馬良をイメージにしたともいわれる「女」を完成させるが、約1ヶ月後に亡くなる。 大逆事件が起きる。 |