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まちづくりの人財 No.1

記事ID:0079768 更新日:2021年7月13日更新 印刷ページ表示
私たちが暮らす安曇野市を豊かにしようと、まちづくりに取り組んでいる市民の皆さんがいます。
「どんな思いで活動しているか」「活動を始めたきっかけは」…。
その一端をご紹介していきます。

森岡俊道さん(45歳) あづみのファシリテーション部!代表

市民と行政、本音で話せる場づくりを

森岡俊道さん 「まちづくりは行政、市民が同じ方向を向いて楽しく一緒に取り組むことが大切。ファシリテーショングラフィック(ファシグラ)は、その実現にとても有効な手段です」。

 ファシグラを使い地域の活性化に取り組む市民活動団体「あづみのファシリテーション部!」の代表を務める。これまでにさまざまなテーマを取り上げながら、本音で意見を出し合える場をつくってきた。令和3年度は、市民協働事業提案制度に基づき市、市民とともにワークショップを開きながら課題解決に向けた具体的な提案を生み出す考えだ。

 ファシグラは、会議やワークショップで話す内容を「見える化」し、議論の活性化やアイデアの発見につなげる手法。司会役のファシリテーターと、出た意見をその場で文字や絵にするグラフィッカーが必要というが、「それぞれ気を付けなければならない点はあるものの、場数を踏めば誰でもできるようになります」と強調する。

 ファシリテーターの場合、自身の気持ちを述べる「反応型応答」ではなく、相手が言いたいことの要点を推測し、それが合っているかどうか言葉で確かめる「確認型応答」が求められるという。「どうやって勉強すればいいですかという発言に対して、例えば『勉強の仕方が分からなくて困っているんだね』と返すのが確認型応答で、『教科書をノートに写すといいよ』と返すのが反応型応答。どちらが良い悪いではなく、確認型応答を適切に使うことで、発言者は自身を受け入れてもらえていると感じてより本音で話すことができます」

 グラフィッカーも、本筋から脱線していると思われる意見も含めて全員の発言を拾い上げて書く点が大切といい、「自身の意見が伝わると楽しい。参加者全員が楽しければ多彩な意見が集まり、1人で考え付かない新しいアイデアにつながる」と説明する。

 サポーター会議 サポーター会議

(写真)ファシリテーショングラフィックの一例

 ファシグラに出合ったきっかけは、令和元年6月に勤務先のセイコーエプソンで開かれたファシリテーションの研修だ。「もともと、人前で話すのが苦手だったので、できるようになりたかった」との思いで受講。知り合いの紹介で翌7月、自由なおしゃべりを楽しむ「安曇野朝活」に参加した。参加者から8月にファシグラの勉強会の開催を予定していることを聞き、より深く学ぶため申し込んだ。勉強会では、議論の活性化と見える化を可能にするファシグラに感動し、「参加者で『ファシグラいいね。できるようになりたいし、広げたい』の考えで一致して部を立ち上げました」と振り返る。

 ファシグラを練習する月2回のワークショップには、毎回約10人が参加している。「女性議員はなぜ少ない」「地域を好きになるにはどうればいいか」などをテーマに、「互いの立場を理解する」「相手の意見を認める」「発言は1分以内にまとめる」といった場のルールを守りながら意見交換。「放課後の子どもの居場所の提供」をテーマにした回では、地区公民館を子どもの自治で管理するーといった提案が上がった。

森岡俊道さん 森岡俊道さん

(写真)森岡さんによるファシリテーショングラフィックの様子

 部としての活動だけではなく、市民活動サポートセンターが令和2年秋に開いた市民活動フェスタに向け、市民活動サポーターが自主企画を考えた計6回のサポーター会議ではファシグラを使って司会を担当。市環境課空家対策室が令和3年2月に開いた「未来につなぐ空家を語る集い」では、市民や市議会議員、企業関係者ら多種多様な約70人の参加者によるワークショップの進行役を務めた。

 「大小含めて、これまでにファシグラを使ったワークショップなどを50回以上開いてきました」と振り返り、「議論が盛り上がって終わったときに、ファシリテーターは誰だったっけ?となるくらいの存在が理想です」と笑う。

 今後、市民協働事業提案制度の枠組みで「空き家対策」や「子ども居場所づくり」をテーマに継続してワークショップを開く予定だ。「議論で出た提案を実際に実行するための支援もしたい」と見据えるとともに、希望者にファシグラの手法や意義を伝える研修会も開きたいと考えている。「行政と市民が対立するのではなく、同じ方向を向いてまちづくりに取り組む安曇野市にしていきたい。ファシリテーターとして会議に参加してほしいといった要望や、勉強会などの希望があれば気軽に連絡してほしい」と力を込めた。

(掲載情報は取材日の令和3年6月18日時点です)

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