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まちづくりの人財 No.13

記事ID:0088682 更新日:2022年3月18日更新 印刷ページ表示
私たちが暮らす安曇野市を豊かにしようと、まちづくりに取り組んでいる市民の皆さんがいます。
「どんな思いで活動しているか」「活動を始めたきっかけは」…。
その一端をご紹介していきます。

宝 喜吉さん(77歳) 潮沢ロマンの会代表

明科潮沢の歴史・文化を後世に 過疎、人口減少に危機感

宝喜吉さん 「明科潮沢は歴史と文化が色濃く残る地域。かつて多くの人が住んでいたからね。だから、ここから住民がいなくなってしまうと、地域の財産が埋もれてしまう危機感がある」。

 安曇野市を構成する旧5町村の中で過疎化、人口減少が目立つ明科地域。この明科東川手の潮沢地区を中心に、歴史・文化の掘り起こしに取り組む「潮沢ロマンの会」の代表を務める。

 平成27年8月、宝さんを含めて3人で発足した潮沢ロマンの会。ただ、その代表という肩書では収まりきらない活動をこれまで重ねてきた。

 まちづくりの原点は、実家のすぐ隣に位置する旧JR篠ノ井線の廃線敷斜面にそびえる約3万本のケヤキだ。昭和63年の新線開通で廃線になって以降、十数年にわたって放置され、土砂災害の危険や不法投棄の増加が課題となっていた。

 「先人から受け継いだケヤキ林を守りたい」との思いで、平成18年に60歳過ぎだった宝さんら地元有志によるボランティア組織「ケヤキの道」が立ち上がった。下草刈りやケヤキ林の間伐を行い、トレッキングができる約6キロの廃線敷コースも整備。廃線敷は次第に注目され、バスツアーなどで多くの観光客が訪れるようになった。

 少しずつガイド役や草刈りなどに協力してくれる地区外の有志も増えたという。「潮沢は高齢化が進んでおり、外部から人材が来てくれることがありがたかったし、積極的に受け入れるようにした」と振り返る。

宝さん 宝さん

(左上の写真) 廃線敷に残る塩尻駅から31キロを位置するキロポスト

(右上の写真) 旧線に列車が走っていた当時の写真を紹介する宝さん

 潮沢ロマンの会の前身は、元明科町長の小林一富さんが呼び掛けて平成22年4月に発足した「東川手歴史の会」。潮沢を含む明科東川手の歴史を記録に残す目的だったが、「メンバーが高齢なこともあり活動が滞ってしまった」。その後、安曇野市による「歩いて楽しいまちづくりプロジェクト」のモデル地区に潮沢区が選ばれたことから、潮沢ロマンの会を設立。月1回の頻度で集まり、廃線敷沿線のケヤキの森づくりなどに関する資料収集や聞き取りの現地調査などを始めた。

 廃線敷だけではなく、善光寺裏街道や平家落人伝説などを調べるために地域を歩いて回り、「改めて潮沢の歴史・文化の深さに気づくことができた」。市内だけでなく県外の子どもたちを招いた歴史・文化の学習会なども精力的に開催している。「進学などで一度は故郷を離れてしまったも、地域の良さを知っていればまた地元に帰ってきてれると思う」

宝さん 

(上の写真) 学習に訪れた子どもたちが書いた新聞やお礼の手紙

 「自分自身、地域の歴史や文化を調べることが好きだかから続けてくることができた」と笑う一方、「潮沢からどんどん人がいなくなってしまうという危機感がある。歴史や文化に関わる資料料集めや聞き取りは今しかできない」と話す。「潮沢に来て一緒に歴史と文化を感じてほしい。夢は、ケヤキ林の下で多くの人がゆっくりと時間を過ごす風景を見ることだね」と活動に込めた思いを語った。

(掲載情報は取材日の令和4年3月10日時点です)

※写真撮影時のみマスクを取っていただきました。

                                                        ※宝さんの「宝」は正式には旧字の「寶」です。

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