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市では、このたび市のふるさと観光大使に、食品メーカー株式会社中村屋(東京都)を任命しました。
同社の創業者は穂高出身の相馬愛蔵。和洋菓子の製造・販売やレストラン経営など多くの事業を手掛けて成功する傍ら、多くの芸術家を支援しました。ふるさとの先人、相馬愛蔵について紹介します。
相馬愛蔵(1870から1954)は、安曇郡白金村(現在の穂高白金区)の農家の三男として生まれました。東京専門学校(現在の早稲田大学)在学中にキリスト教の洗礼を受けた愛蔵は、正義人道を重んじる近代人としての教養と信念を高めていきました。1890
(明治23)年に卒業してからの約1年間は北海道で蚕業に従事しながら、北海道禁酒会の会長、伊藤一隆を助けて、禁酒運動に没頭しました。
帰郷後、養蚕の研究を記した「蚕種製造論」「秋蚕飼育法」を出版すると、より科学的で画期的な技術書として大変な反響を呼び、全国の農村青年が愛蔵の教えを受けに穂高を訪れました。
また、在郷の青年たちと東穂高禁酒会を結成し、節制勤勉などを広める活動をしました。研成義塾を創設した井口喜源治も、後にこの会の中心となり活動しました。
1897(明治30)年、28歳の時に黒光(旧姓星、本名良)(1876から1955)と結婚。1901(明治34)年に上京し、東京大学正門前の中村屋というパン屋を居抜きで買い取り創業しました。その後、本店を新宿に移し、新宿中村屋として、和菓子や洋菓子を販売。努力を重ね良い品を安く売ることを基本に必要以上の利益を求めない、正札主義の商法で見事小売業として成功しました。
大正末から昭和の初めに新宿に百貨店が多くなると、営業時間の延長や優秀な技術者を招へいするなどの対応をしました。また、1927(昭和2)年には喫茶部( レストラン)を開設。中村屋を代表する商品「純印度式カリー」「月餅」「中華まん」を発売します。これらの施策が功を奏し、百貨店の出店にも負けず、逆に売り上げを伸ばすことに成功しました。
そして、百貨店研究と酪農畜産視察のためヨーロッパを旅行し、「欧州視察談」や「素人の店頭談」等を執筆。広い視野と体験に基づく商道の信念、後進への指針を分かりやすく丁寧に説いたほか、社員の情操教育にも力を注ぎました。
相馬愛蔵と黒光は、芸術に深い知識と理解を持ち、物心両面で芸術家を支援しました。新宿移転後、中村屋には多くの芸術家、文人、演劇人らが出入りするようになりました。
東穂高村矢原(現在の穂高矢原区)出身の荻原守衛(碌山)(1879から1910)は、1908(明治41)年にフランス・パリから帰国後、新宿西口にアトリエを設け、中村屋に足しげく通いました。その碌山を慕い多くの画家や彫刻家も中村屋に出入りし、芸術談義が交わされました。その様子は後に「中村屋サロン」と呼ばれるようになりました。
碌山が30歳の若さで亡くなると、サロンの中心人物となったのが中村彝(1887から1924)でした。彝は中村屋にあるアトリエで生活し、多くの芸術家が彼のもとを訪れました。相馬家の子どもたちをモデルに多くの作品を残しました。
また、夫人の黒光は文学や演劇の世界でも支援活動を行いました。中村屋店内での朗読会の開催や自宅の蔵を劇場にして演劇をするなどをし、劇作家の秋田雨雀や女優の松井須磨子、水谷八重子が集いました。
1927(昭和2)年、相馬愛蔵は、長女俊子の夫、インド出身のラス・ビハリ・ボース(1886から1945)の提案により、中村屋の喫茶部の開設に合わせ純インド式カリーを販売。それまで知られていた小麦粉を使った英国式カレーとは違う、本場のカリーを日本に広めました。
インド・ベンガル地方出身のボースは、イギリスからの独立運動に身を投じ、革命の志士としてイギリス政府から追われる身となったことから1915(大正4)年に日本へ亡命します。
日本で潜伏生活を続けていたボースに日英同盟を結んでいた日本政府は国外退去命令を出しました。退去日の前日にボースの協力者、頭山満からの依頼を受けた相馬夫妻は、ボースを中村屋のアトリエにかくまいます。中村屋の従業員全員が団結し、彼の保護にあたりました。
翌年、日本政府はボース保護に方針転換しますが、イギリスからの追及は続き、ボースは隠れ家を転々とします。この時、逃亡生活を支えたのが俊子でした。2人は後に結婚し、ボースは日本に帰化、2人の子どもをもうけましたが、俊子は逃亡生活の心労から、1925(大正14)年、26歳で早逝します。
俊子の死後、ボースの祖国インドの本場のカリーを日本に紹介したいとの想いを受けて、材料を厳選し、スパイスをふんだんに使って販売された本格カリーは評判を博します。当時、町の洋食屋のカレーが10から12銭だったのに対し、中村屋のカリーは80銭でしたが、飛ぶように売れたとの記録が残っています。
※中村屋では「カレー」のことを「カリー」と表記しています。
中村屋では、創業から100年以上経った現在もゆかりの地、安曇野を大切にしています。
市内で新入社員研修を行うほか、荻原守衛(碌山)の作品を収蔵する碌山美術館(穂高)へは、同社が所蔵する資料等の貸し出しなどの協力や支援も行っています。
また、平成24年からは、安曇野産の食材を中心に使用したご当地レトルト商品の開発・販売を通じ安曇野の名を全国に発信。平成25年には、市教育委員会が依頼し小中学生向けの「中村屋カリー」を開発しました。玉ねぎをはじめ市内産の野菜や県内産の具材を使った純インド式カリーは、地域食材を使った月1回の「安曇野の日」のメニューのひとつとして提供され、子どもたちは給食を通じてふるさとの先人相馬愛蔵の功績を学んでいます。
碌山美術館で4 月10 日に行われた任命式では、宮澤市長から代表取締役社長の染谷省三さんに任命書が手渡されました。染谷社長は「創業者の出身地は私たちにとってもふるさと。食や文化活動を通じ、市の発展に貢献していきたい」と話しました。
中村屋では、ご当地レトルト商品の充実などの事業のほか、本年11 月に完成予定の(仮称)新宿中村屋ビルに併設する店舗や中村屋サロン美術館を通じて、安曇野の情報を広く発信します。
市民と市が協働し、光城山(豊科光・標高912メートル)の桜の保全活動などを行う「安曇野市光城山1000人SAKURAプロジェクト」の設立総会が4月28日、豊科支所で行われました。
当日は、市や光城山を管理する上川手山林財産区管理会、地元区、里山保全活動を行うNPO法人の代表者など関係者38人が出席しプロジェクトの進め方などを確認しました。
宮澤市長はあいさつで「多くの市民の皆さんが参加し、今まで以上の桜の名所にして欲しい」と期待を寄せました。また、会長に上川手山林財産区管理会会長の長崎孝雄さんが選ばれました。長崎会長は就任のあいさつで「訪れる人に喜んでもらえるような桜が育つよう頑張りたい」と話しました。
このプロジェクトは、市の桜の名所のひとつになっている光城山について、登山道沿いの桜が老木となり、樹勢の衰えで花づきが良くない年もあることから、市や市民がそれぞれの役割を担いながら、桜の植樹などを行います。本年は、6月にヤマザクラなど試験植樹を行い、樹木医など専門家と相談しながら光城山に適した桜の選定や植樹と管理の方法を研究します。研究結果を踏まえ、市制10周年となる平成27年度に市民が参加し桜の植樹を行い、数年で約1000本の桜を植樹する計画です。
プロジェクトでは桜の植樹と管理のほか、光城山一帯の観光振興や歴史文化の伝承、周辺の自然環境保全、登山道整備による市民の健康増進を図る活動なども行います。今後、分科会を設置し活動を進め、光城山一帯が市民をはじめ多くの人の憩いの場となるよう、長期的に取り組む予定です。
4階の鉄骨部分の組み立てが始まりました4 月末までに3 階の柱、梁はりの組み立てが終わり、5 月末から4 階の鉄骨の組み立てが始まります。4 階部分は広い大会議室(410 平方メートル)や電気室、書庫などがあり、荷重や柱と柱の間隔などを考慮して、建設費用がより安価な鉄骨構造を採用しています。
地下1階の駐車場では、電気・給排水の配管配線工事が始まりました。今までは骨組み工事が主でしたが、いよいよ建物内部の内装などを行う造作工事も始まります。
穂高支所の整備等については、これまで穂高地域審議会、支所等整備検討市民会議から提言や報告をいただき、基本計画をまとめてきました。今回、実施計画および実施設計策定にあたり、新しい支所の庁舎配置等を含め、市民の皆さんから意見等をいただく説明会を開催します。ぜひ、ご参加ください。
問い合わせ 穂高支所地域課地域担当 電話82・3131 代表 ファクス82・6622
県内4カ所目 後援会支部発足 4月22日 山雅後援会安曇野支部発足式
春の安曇野に歌声が響く 4月29日 第31回早春賦まつり
高橋節郎さん 生誕100年 4月26日 生誕百年 高橋節郎展
安曇野の自然と文化を体感 4月26日
国営アルプスあづみの公園・田園文化ゾーン北地区開園
400字の小説 大賞受賞 4月23日 12 歳の文学賞大賞受賞報告
新社会人を激励 4月17日 新規学卒就職者歓迎会
4月から講座メニューの内容を変更 ご利用ください
市政への関心を高め、これからのまちづくりを市と共に考えていただくきっかけづくりとして、市の施策や制度について、担当職員が市民の皆さんに分かりやすく説明させていただきます。地域の集会やご近所の集まりの機会などにご活用ください。
問い合わせ・申し込み
〒399-8303 安曇野市穂高6658 番地 穂高支所内 地域づくり課 電話82・3131 代表 ファクス82・6622 mchiikizukuri@city.azumino.nagano.jp
市では、市内の区や区に関わる組織などが互いに連携し、「地域の課題を地域で解決する」仕組みづくりのため、区等が抱える地域課題の解決および区全体の一体感を醸成する事業に対し、地域力向上事業交付金を交付します。対象となる事業など詳細はお問い合わせください。
問い合わせ 穂高支所内地域づくり課 電話82・3131 代表ファクス82・6622
65歳以上で、公的年金を受給し、市県民税を納税する義務がある人は、公的年金から市県民税が特別聴き取る(天引き)されます。これは、市県民税全体のうち、公的年金所得に係る部分を特別聴き取るする制度です。納付する1年間の税額は変わりありません。(本人の意思による選択や停止はできない制度となっています。)
問いわせ 豊市民税課市民税担当 (電話72・3111代表ファクス72・8340)
生涯学習課社会教育担当 電話62・4565ファクス62・3525
生涯学習課社会教育担当 電話62・4565 ファクス62・3525
生涯学習課スポーツ推進担当 電話62・4565ファクス62・3525
生涯学習課スポーツ推進担当 電話62・4565ファクス62・3525
生涯学習課社会教育担当 電話62・4565ファクス62・3525
豊科支所地域課 電話72・2158ファクス73・6401
生涯学習課スポーツ推進担当 電話62・4565ファクス62・3525
明科支所地域課 電話62・4605ファクス62・5894
文化課文化財保護係 電話62・3090ファクス62・3525
堀金支所地域課 電話72・5796 ファクス72・5801
三郷図書館 電話76・3078ファクス76・3077
豊科図書館 電話71・4022 ファクス73・1801
明科図書館 電話62・1122ファクス62・1124
文化課文化振興係 電話62・3090ファクス62・3525
安曇野豊科近代美術館 電話73・5638ファクス73・6320
安曇野高橋節郎記念美術館 電話81・3030ファクス82・0551
豊科郷土博物館 電話72・5672 ファク72・7772
豊科郷土博物館 電話72・5672ファクス72・7772
碌山公園研成ホール 電話82・0769
貞享義民記念館 電話77・7550 ファクス77・7551
問い合わせ 子ども支援課児童係(電話81・0727ファクス81・0703)
問いあわせ 子ども発達支援相談室(電話71・3010ファクス73・5775)
問いあわせ 健康推進課健康推進係(電話81・0726ファクス81・0703)
問いあわせ 耕地林務課林務担当(電話77・3111代表ファクス77・6060)
問い合わせ 議会事務局(電話71・2156ファクス71・2150)
問い合わせ 職員課職員担当(電話71・2000代表ファクス71・5155)
問いあわせ 図書館交流課図書館交流担当(電話84・0111ファクス84・0116)
問い合わせ 松本広域連合事務局(電話87・5460ファクス87・5462)
問い合わせ 政策経営課企画担当(電話71・2000代表ファクス71・5000)
松本広域連合事務局福祉・地域課ふるさと担当(電話87・5461)
問いあわせ 農政課マーケティング係(電話77・3111代表ファクス77・6060)
問い合わせ 農政課マーケティング係(電話77・3111代表ファクス77・6060)
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問いあわせ 建築住宅課住宅係(電話72・3111代表ファクス72・3569)
問い合わせ 農政課集落支援担当(電話77・3111代表ファクス77・6060)
問い合わせ 農政課生産振興担当(電話77・3111代表ファクス77・6060)
問い合わせ 健康推進課保健予防係(電話81・0726ファクス81・0703)
問い合わせ 耕地林務課林務担当(電話77・3111 代表 ファクス77・6060)
問い合わせ 穂高支所内環境課環境政策係 電話82・3131 代表 ファクス82・6622
第30回あやめまつり
開催日 6月18 日(水曜日)から 30 日(月曜日)
場 所 明科龍門渕公園・あやめ公園
内容
問い合わせ 穂観光交流促進課(電話82・3131 代表 ファクス82・6622)
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