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伝説・民話 安曇野に伝わる 水と人の物語

ページID:0133658 更新日:2026年2月4日更新 印刷ページ表示

山々の恵みが湧き出でる安曇野の水は、古くから人々の暮らしを支え、数多くの物語を育んできました。
清らかな流れとともに語り継がれてきた昔話や伝説には、この地に生きる人々の知恵や祈り、そして自然への敬いが息づいています。
このページでは、市民の皆さんとともに、安曇野の水に寄り添いながら紡がれてきた物語を見つめ、未来へとつないでいきます。

 

 

犀龍小太郎

昔々、今の安曇野のあたりには、広く深い湖が広がっていました。
そこは人が住むにはまだ荒れ果てた土地で、水は豊かすぎて、岸辺には葦や芦が茂り、風が湖面を揺らすたびに不思議な音が響いていました。
その湖には、犀のように力強く、しかしどこか優しげな龍、「犀龍」が住んでいたといいます。
犀龍は自らの力を持て余し、湖の奥深くに身を隠していました。

一方、東の池には白く輝く「白龍王」がおり、犀龍と白龍王の間に、ひとりの男の子が生まれました。
その子の名は泉小太郎。小太郎は人間の老夫婦に育てられ、湖の水に囲まれたこの土地で、のびのびと成長しました。
湖の水は時に人々の暮らしを妨げましたが、小太郎は幼いころから「いつかこの荒れた地を、人が住める豊かな里にしたい」と思い続けていたといいます。
やがて小太郎は成長し、母である犀龍を探しに行く決心をします。母はその力の大きさゆえに、普段は湖の底深くに姿を隠していました。
小太郎は尾入沢のほとりにたどり着き、ついに犀龍と再会します。


犀龍は、湖を覆う水と岩の力を小太郎に貸し与えました。
小太郎は母の背中に乗り、湖底の岩や山の障害を突き破り、少しずつ水を海へ流す道を開いていきます。
湖の水が徐々に減っていくと、かつては水に覆われていた平地が顔を出し、草木が芽吹き始めました。
小太郎の働きによって、肥沃で広々とした安曇野の平野が生まれ、人々が住み、田畑を耕すことのできる土地となったのです。
犀龍は再び湖底に戻りましたが、その力はこの地を豊かにし、人々の暮らしを守る存在として伝えられました。
この物語は、龍という自然の象徴と、人間である小太郎の知恵と勇気が力を合わせ、荒れた湖沼地帯を開いて人が住む土地に変えたという、神話のような開拓譚です。
今日の安曇野の平らで肥沃な田園風景も、かつては犀龍と小太郎の手によって切り開かれたという伝説が、風にのって今も語り継がれているのです。

おたねの水

むかしむかし、飛騨の山あいに、おたねとおすげという仲のよい姉妹が住んでいました。
ふたりの父親は、遠く信濃の国・安曇野に移り住み、姉妹は山を隔てて離ればなれになってしまいました。
姉妹はどうしても父に会いたいと思い、ある年の春の終わりに、険しい北アルプスを越えて信濃をめざすことにしました。

けれども山道は深く、風は冷たく、食べ物も尽きてしまいました。
何日も歩き続けたふたりの足は重くなり、やがて姉のおたねは疲れ果ててしまいました。
妹のおすげが必死に励ましましたが、おたねはやさしく微笑み、
「父上に会えたなら、この水辺を忘れないでおくれ」
と言い残して、静かに息を引き取りました。

そのとき、不思議なことが起こりました。
おたねが倒れたその場所から、こんこんと清らかな水が湧き出したのです。
山の岩の間から、絶えることなく流れ出した水は、どんな日照りにも枯れることがありませんでした。
その水を飲んだおすげの心と体は、たちまち癒されたと伝えられています。

村の人々はこの話を聞いて驚き、
「おたねさまの心がこの山に宿っておられるのだ」
と言って、湧水のそばに小さな祠を建てました。
それが「御種神社(おたねじんじゃ)」と呼ばれる祠であり、
湧き出る清水は「おたねの水」と呼ばれるようになりました。

この水には、不思議な力があるといわれています。
この水を使って味噌を仕込むと、どんなに失敗した味噌でも見事に整い、
この水で目を洗えば、眼の病が治るとも言い伝えられました。
しかし、祠のものを盗んだ者は目が見えなくなったとも伝えられ、
人々は「おたねさま」のお力を恐れ、敬ってきました。

夏の日照りにも枯れることがないこの泉は、
いまも山の奥で静かに湧き続けています。
今でも「おたねさま」に感謝を捧げながら市民が中心となり整備を行っています。

おたねのみず

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