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地下水のしくみ ー名水は旅するー
北アルプスに降った雨や雪は、小さな沢となり、大きな河川を通じて安曇野の扇状地へ流れ込みます。この水の一部は地下へ浸透し、松本盆地という「大きな水がめ」に貯えられます。その水量はなんと、諏訪湖の約303倍!地下をゆっくりと流れる水は標高の高い地域から長い年月を経て、最も低い地域に到達し、湧水として地上に姿を現します。
1. 地下水って、どこにあるの?
地下水とは、私たちの足元の地層の中に蓄えられている水のことです。安曇野の地層は、北アルプスから運ばれてきた礫(れき:2mm以上の石)や砂が多く含まれています。例えるなら、これらの地層は「天然の巨大なスポンジ」のようなもので、非常に水を通しやすく、大量の水を蓄えることができます。
【安曇野の地下断面図】

2. 北アルプスの雪どけ水が「地下水」になる仕組み(涵養)
地下水が生まれるプロセスを「涵養(かんよう)」といいます。安曇野の地下水は、主に以下のルートで生まれています。
- 山からの恵み:雨や雪どけ水
北アルプスに降る雨や雪どけ水が、時間をかけてゆっくりと地中にしみ込みます。 - 川からの浸透(伏没)
安曇野を流れる河川(特に扇状地の上流部)の河床は水を通しやすいため、川の水が地下へにじみ出し、地下水となります。これを「伏没(ふくぼつ)」といいます。 - 水田の役割
春から夏にかけて、水田に張られた水が、地中へ深くしみ込んでいくことも、安曇野の地下水を育む重要な役割を果たしています。
【地下水涵養のイメージ】

地下水は、一度失われると簡単には戻りません。山や水田、川など、あらゆる場所からの水の浸透(涵養)が、安曇野の豊かな地下水を支えています。
3. 地下水は低いところへ流れる
地下水は、地層の中を高いところから低いところへと流れています。イメージとしては、地面の中の「ゆっくり流れる川」のようなものです。
安曇野では、北は松本盆地の北側、南は塩尻方面から流れ込んだ地下水が、盆地の中で最も標高の低い「犀川・高瀬川合流部付近」へと集まってきます。
この流れの中で、地下水が地表に押し出されたり、地層の切れ目から湧き出したりしたものが、湧水として姿を現します。
4. 大切な「地下水位」を守るために
地下水位(地面から地下水面までの深さ)は、季節や天候、私たちの水の利用によって常に変化しています。
【安曇野市内の地下水位の長期変化グラフ】

安曇野市では、長期的に地下水位が低下傾向にあります。このままでは湧水が枯れたり、井戸が使えなくなったりする恐れがあります。
安曇野の地下水は、一度失うと取り戻すのが難しい「限りある資源」です。これからも、この清らかな水を未来に引き継いでいくために、節水を心がけ水環境を守る行動を意識しましょう。







