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水と共に若い力で育む ワサビ
小宮山 潔さん (穂高)
安曇野産わさびの生産を若い力で支え、盛り上げている「わさび組合青年部」。
青年部の小宮山さんに話を聞きました。
安曇野の湧水で育ったわさび
ミネラルを多く含んだ湧水で育つ安曇野のわさびは、他の産地のものより辛みが強く、寿司や蕎麦によく合います。ただ辛いだけでなく、豊かな風味も特徴です。年間を通して12から16℃と水温が安定している安曇野の湧水は、理想の生育温度とされる14から15℃に近く、水質に敏感なわさびにとって最適な環境です。
また、北アルプスからの雪解け水が扇状地の麓で湧き出る安曇野では、平地式栽培が可能です。静岡県や島根県では段々畑方式が主流のため作付面積に限りがありますが、安曇野では広い面積で多くのわさびを生産できます。この恵まれた自然と土地こそが、安曇野のわさびを支えています。
新たな風と昔から伝わる技術
青年部は現在、20代から50代までの生産者約20人で活動しています。毎年の品評会の運営をはじめ、わさびの生育状況や栽培方法などの情報共有を行っています。
かつてわさび農家は秘密主義で、横のつながりがほとんどありませんでした。しかし近年、後継者として若い生産者が増え、SNSでの情報発信など新たな風が吹き始めています。
昔から伝わる栽培技術を大切にしながら、最新の技術や発信方法を取り入れ、協力して生産・販売に取り組んでいます。
収穫後は畝を崩し、砂をきれいにしてから再び畝を作ります。水の流れを考えながら傾斜をつけるこの作業には熟練の技が必要なため、ベテランの名人にお願いしています。若い力だけでは受け継げない伝統を、世代を超えて守っています。
安曇野の自然と共に
安曇野産わさびは全国的に人気が高く、需要も年々増えています。一方で、気候変動や後継者不足などの課題もあります。これからは仲間同士で協力して生産を続けるだけでなく、新たにわさび作りに挑戦したい人への相談対応や畑の紹介、技術指導も重要だと感じています。
農業は「お天道様があってこそ」と言われるように、自然と共にある仕事です。安曇野ならではの自然に感謝しながら、これからも仲間と力を合わせ、わさびの生産を盛り上げていきたいと思います。







