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第3部
あらすじ
時代は大正に入ります。
本店となった東京・新宿の中村屋には、洋画家の中村彝や彫刻家の中原悌二郎をはじめとする芸術家のほか、盲目のロシア詩人ワシリー・エロシェンコらが集うようになり、「中村屋サロン」ができあがりました。
一方、インドの独立運動家ラス・ビハリ・ボースが1915(大正4)年に日本へ亡命し、中村屋が匿うことになります。中村屋とボースとの出逢いにより、中村屋を代表する「純印度式カリー」ができあがります。
第3部では、こうした立場や境遇の異なる多種多様な登場人物たちの群像劇が描かれます。
主な登場人物
| 人物名 | 肩書 |
|---|---|
| 赤羽 王郎(あかはね おうろう) | 信州白樺派の教育者 |
| 秋田 雨雀(あきた うじゃく) | 劇作家、詩人、童話作家 |
| 井口 喜源治(いぐち きげんじ) | 教育者 |
| 伊藤 野枝(いとう のえ) | 婦人解放運動家、作家 |
| 大杉 栄(おおすぎ さかえ) | 思想家、作家 |
| 岡田 虎二郎(おかだ とらじろう) | 健康運動推進者 |
| 荻原 守衛(おぎはら もりえ) | 彫刻家 |
| 桂井 当之助(かつらい まさのすけ) | 哲学者 |
| 神近 市子(かみちか いちこ) | ジャーナリスト、政治家 |
| 木下 尚江(きのした なおえ) | 社会運動家、作家 |
| 斎藤 茂(さいとう しげる) | 評論家、農業 |
| 堺 枯川(さかい こせん) | 社会主義者 |
| 相馬 愛蔵(そうま あいぞう) | 実業家、中村屋を創業 |
| 相馬 俊子(そうま としこ) | 相馬夫妻の長女 |
| 相馬 良(そうまりょう) | 実業家、中村屋を創業 |
| 中原 悌二郎(なかはら ていじろう) | 彫刻家 |
| 中村 彝(なかむら つね) | 洋画家 |
| 中谷 勲(なかや いさお) | 信州白樺派の教育者 |
| 武者小路 実篤(むしゃのこうじ さねあつ) | 小説家、詩人 |
| 柳 宗悦(やなぎ むねよし) | 哲学者、思想家 |
| ラス・ビハリ・ボース | インド独立運動家 |
| ワシリー・エロシェンコ | 作家、言語学者 |
関連年表
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1914(大正3)年 | 日本が第一次世界大戦に参戦する。 |
| 1915(大正4)年 | 中村屋がインド独立運動家のラス・ビハリ・ボースをかくまう。 |
| 1916(大正5)年 | 神近市子が大杉栄を刺す。 |
| 1918(大正7)年 |
相馬家の長女の俊子がラス・ビハリ・ボースと結婚する。 第一次世界大戦が終わる。 |
| 1923(大正12)年 |
中村屋が株式会社組織に改組し、商号を「株式会社中村屋」とする。 関東大震災が発生。中村屋は安値でパンなどを販売する。 |
