Questions and Answers
質問・疑問
「貞享騒動」を理解していただくために、「夢道場」と呼ばれるシアターから常設展示室へと続く廊下には、「Q&A」のコーナーがあります。来館された多くの方から寄せられた10の質問・疑問を、簡潔に説明しています。この掲示をご覧いただきながら、展示室へとお進みください。
Q1 「貞享」とは?
「昭和」や「平成」などと同じ、年号を表しています。貞享年間は、江戸時代が始まって約80年、幕藩体制も整いつつある江戸前期の4年間です。
Q2 「義民」とは?
命をかけてみんなのために、一揆のリーダーとなった人たちのことです。貞享騒動では、その弟や子まで処刑されて義民と呼ばれました。
Q3 「一揆」とは?
何かの理由で同じ気持ちを持った人々が、一緒に行動を起こして目的を達成しようとすることです。農民一揆は、農民が領主などに集団で反抗したものです。
Q4 「越訴」とは?
農民が何か訴えたいことがあるとき、村の庄屋や組手代ではなく、郡奉行や家老に直接訴えることです。これはたいへん重い罪となり、厳しく罰せられました。
Q5 磔・獄門とは?
ともに江戸時代の死罪の処刑方法です。「磔」は、磔柱に縛り付けられて槍で突かれる刑。「獄門」は、刀で首を切り落とされ、その首を晒される刑です。
Q6 「石」とは?
「1石」は、大人1人がほぼ1年間に食べるお米の量で、100升(約180L)です。松本藩7万石とは、7万人が食べる量の年貢を取り立てられる藩だということです。
Q7 当時のお米の品種は?
「こぼれ」という品種です。赤米で米質は良くないが、丈夫でたくさんとれたので、条件の悪い地域ほど多く作られ、芒という先毛が10cmもあるのが特徴です。
Q8 「2斗5升挽き」になった?
残念ながら騒動後も3斗挽きのままでした。願いがかなったのは約40年後、水野氏が改易になり、松本藩が幕府領となった時でした。
Q9 「2斗5升挽き」とは?
年貢米を納めるとき、『1俵に、籾を玄米にして2斗5升になるように入れる。』ということです。籾から籾殻を取り除いて玄米にすることを「籾摺り」といいます。だいたい5斗の籾を摺ると、2斗5升の玄米がとれたそうです。
Q10 展示室の中央にある大きな柱は?
『義勇貫天』という言葉を表現したシンボルタワーです。「義(理にかなうこと、人として正しいこと、正義)を勇気をもって、天までも貫き通す」という義民の精神を表しています。「義勇貫天」の書は右から読みます。これを書いたのは、中林梧竹です。この人は『明治の三筆』の一人といわれた書家で、この地を訪れた時、義民の話に感動してこれを書いたそうです。