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楽しい活動を通じて 自然に支え合う関係を作りたい
地区の竹林整備をきっかけに 地域内外のつながりをつくる
明科大足区・清水地区で月1回の竹林整備に取り組む清水里山整備協議会。地元の人はもちろん、県外からも共感する人が加わり、地域の交流の場になっています。会を立ち上げた丸山さんに話を聞きました。
丸山健太さん
「こうあるべき」 と押し付けないことがモットー。 活動の中で起こるさまざまな化学変化を楽しみ、 「住民同士が少しずつ力を出し合い自分達で住みやすい地域を作っていく場にそっと居る存在」 でありたいと考えている。
竹林整備でつながる人と人
準限界集落状態の清水地区。今後も暮らし続けるために今できることを地区の若手で話し合い、2018年に地域のシンボル・光久寺薬師堂の周りに繁茂した竹林の整備に取り組み始めました。 2019年6月に 「さとぷろ。学校」 の会場となったことをきっかけに、地区外からも協力者が来てくれるように。作業後のお昼ご飯を一緒に食べるようになると、これまで作業には参加していなかった高齢者にも漬物を差し入れるといった役割ができ、参加の幅が広がりました。
この活動で大切にしているのは同じ空間にいるということ。そこに地域外の協力者がつながることで、薬師堂でのヨガやキャンプ、手作りの結婚式など新たな活動に発展しています。
自然に支え合う関係づくり
「地域で支え合う関係性を再構築したい」という思いで活動を始めました。以前自治会の役員を務めた際、役の押し付け合いや引き継いだことをこなすだけで、お互いに助け合う基盤になりえていないと感じました。また、仕事では医療SWにやりがいを感じていましたが、相談に来た人に支援制度を紹介するだけの自分に違和感がありながらも、変われずにいました。
自主的に始めたこの活動で、住民同士が定期的に楽しく集まっ て話をするようになり、お互いを深く知ることに繋がりました。困りごとを相談する機会にもなり、結果的に自治会の活動もスムーズになりました。自然に支え合う関係づくりに繋がり、 嬉しく思っ ています。
活動が仕事にも好影響
仕事では支援する側ですが、ここでは人に支えられる側の経験をしています。この経験から、使える制度やサービスに繋ぐだけでなく、当事者の立場を気にかける姿勢が相手の力になると実感し、視野が広がりました。このことを仕事でも意識するようになり、よりやりがいを持てるようになりました。 「地域を良くしたい」と思うばかりに独りよがりになっていた価値観を、活動を支えてくれる周りの人達が変えてくれました。一住民としてこの場に感謝しています。
<MEMO>
●清水里山整備協議会
毎月第3日曜日の午前中に、長峰山中腹の光久寺周辺で竹林整備活動を行っている。清水地区8世帯23人全員が会員。誰でも参加できる。
●準限界集落
55歳以上が人口の50%以上を占め、跡継ぎの確保が難しく、限界集落の予備軍となっている状態。
●医療SW(ソーシャルワーカー)
保健医療機関で患者や家族の相談にのり、社会福祉の立場から問題の解決、調整、社会復帰を支援する。