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餃子で胃袋をつかみ 歌で心をつかむ
体の内側から表現し ありたい自分でいつづけるアーティスト
「ギョウザミュージシャン」と名乗り、手作りの餃子を携えながらミュージシャンとして各地でライブを行う嶋田さん。音楽と餃子という異色の組み合わせで注目を集める嶋田さんにこれまでの道のりや思いを聞きました。
嶋田湧さん
人と人とが出合うことでお互いに視野を広げることができる。そこに音楽があることで言葉では語れないことまで表現し伝えることができる。だからこれからもいろんな人と会って視野を広げ、相手にとっても広がるきっかけになれば嬉しいです。
音楽と向き合い日本一周
音楽好きの父のもと、常に音楽が流れる環境で育ち、大学ではバンドに打ち込みました。音楽の道を諦めて就職した飲食系企業で、熱意を持って全力で仕事に向き合う経営陣を見ているうちに、「自分も人生をかけてやりたいと思うことをしたい。音楽をやりたい」という気持ちを抱くようになり退職。音楽と両立するつもりで餃子店の立ち上げに関わったところ、餃子の奥深さに魅せられ、おいしさの追求にのめり込みました。
やりがいを感じつつも「音楽をやりたかったはず」と悩んでいたところ、バイト仲間に「旅に出ればいい」とアドバイスをもらい、2018年4月にギターで弾き語りをしながら自転車で日本一周する旅に出ました。自分の歌が売れないと生きていけない環境で音楽と向き合うために、お金を持たずに出発。路上ライブで生活費を稼ぎ、さまざまな街を転々とする生活を1年間続け、400カ所以上で歌いました。行く先々で出会った人に助けられ、人の温かさと音楽の可能性に改めて気がつきました。2020年に誘いを受けて安曇野でライブをした際、人や自然の豊かさにひかれ、そのまま移住しました。
餃子と歌で表現し続ける
現在の活動の中心はミュージシャン活動と餃子の製造販売、音楽教室 「ワクラボ」です。旅の中で餃子をふるまい喜ばれた経験から、2019年に「手づくり餃子NERU」をオープンし、イベントやネットで餃子を販売しています。そして安曇野を拠点に各地でライブを行いながら、音楽で魂や心に、餃子で胃袋や身体に訴えかけ、自分を表現し続けています。
凝り固まった価値観にとらわれ、本音をしまいこんでしまう人や「いい大学や会社に入れば幸せ」という一昔前の価値観に疑問を抱く人も多い中、自分が率先してありたい自分を表現することで、「こんな生き方がある」ということを相手に伝え、視野を広げるきっかけになればと思っています。
安曇野は自らの生き方や考え方を持ち、面白いことをやっている人が大勢いて、相乗効果で高めあっているところが魅力的。そんな安曇野が好きで、もっと地域に根付いていきたいと思っています。歌や餃子を提供できる場があれば喜んで行くので、ぜひ呼んでください。
<MEMO>
●手作り餃子 NERU
信州小麦 ・ 味噌 ・ 醤油や安曇野の天然水、 地元の野菜で作る、 皮から手作りの餃子を販売している。
●WAKUWAKU MUSIC Lab.(ワクラボ)
音楽やものづくりを通じてワクワクを追求する、 形にとらわれない音楽教室。 感性を育て、 自分を知ることを大事にしている。