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笑顔が好き 異なる文化にココロオドル
話す人の「メモリー」となるよう 多様なつながりを作り続ける
「あづみの国際DAY!2023」で、笑顔で来場者にタイの文化を紹介する木藤パガーマースさん。来日後29年間続けている国際交流活動にかける思いを聞きました。
木頭パガーマースさん
タイ王国スコータイ出身。来日後、県内で積極的に国際交流活動を行っている。18年前からスナックメモリーを経営。日々常連のお客さんとの会話を楽しんでいる。
交流は想像の世界旅行
本や日本にいる友人から見聞きした桜が見たくて来日し、以後安曇野で暮らしています。日本での生活で感じたことは、タイにはない四季の豊かさ。季節の移ろいとともに変わる日々の暮らしに感動しました。
来日して間もないころは市内の企業で働きながら地域の行事やイベントに参加し、少しずつ生活に馴染んでいきました。当時から人が集まる場で生まれる笑顔を見るのが好きで、いろいろな国の人と会話し、仲良くなりたくて国際交流活動を始めました。国を超えた交流には新しい発見があり、心がおどります。
例えばタイでは、日本の灯籠流しに似たロイクラトンという伝統的なお祭りがあります。一見同じような催しでも、その意味は違い、ロイクラトンは川の女神に感謝の気持ちを捧げるために灯籠を川に流します。一方、日本の灯籠流しは死者の魂を弔うもの。また、「こんにちは」もタイでは、男性は「サワディークラッ(プ)」、女性は「サワディーカー」と、言い方が異なります。このようなことを外国籍の人たちと紹介し合うと、まるで自分の知らない世界を旅しているかのように想像が膨らみます。そして話が弾み笑顔が生まれます。また、以前イベントで出会った人たちと別のイベントで再開することも多く、活動を続ける中で多様なつながりができていることも幸せです。
さらに楽しい会話を求めて
普段は、タイから来た2人の姪と助け合いながらスナックを経営しています。
4年ぶりの開催となった「あづみの国際DAY!2023」には3人でブースを出展。お客さんの名前をタイ語で書いて、タイ語の形成を日本語で説明したり、タイのおもちゃを紹介して遊んだりと、楽しみながらタイの文化に触れてもらいました。
また、出展者同士がお互いのブースを行き来きし、仲を深めることができ「一緒に頑張っているね」と励みになりました。いろんな国や人、文化が楽しめる国際交流活動は、これからもずっと続けていきたいです。
そして、もっと日本語の表現を勉強して、今以上にいろんな人との会話を楽しみたいです。日本語は語彙が多く、ひらがな1つでも意味を成します。その絶妙なニュアンスを使いこなしながら、スナックに来るお客さんと楽しく会話ができたら幸せです。
<MEMO>
●あづみの国際DAY!2023
主催:あづみの国際化ネットワークステージ発表や物販など、多くの外国籍市民等が集う交流イベント
●ロイクラトン
タイで古くから続く水の祭典。タイの旧暦12月の満月の夜、川の女神プラ・メー・コンカーに感謝の気持ちを捧げ、自らを清める意味がある。