本文
情報を音声に変えて 伝える情報と伝わる愛情
視覚に障がいのある人の目となり声を届ける音訳ボランティア
視覚に障がいがある人のために「広報あづみの」や書籍・雑誌、新聞などを音声にして伝える音訳ボランティア。平成19年から市の音訳ボランティアとして活躍している久野さんと鈴木さんに話を聞きました。
鈴木淳子さん(左)と久野訓子さん(右)
音訳ボランティアになったきっかけ
久野
音訳ボランティアになる前は、子どもたちに絵本の読み聞かせを行っていました。絵本の世界観や情景を言葉で伝えるうちに、読み伝えることに興味がわき、視覚に障がいがある人のために音声で情報を伝える音訳ボランティアの存在を知ったことがきっかけです。
鈴木
たまたま目にした朗読ボランティア講座のチラシを見て、現役で活躍している人の生の声を聞けると知り早速参加。その講座の中で視覚に障がいがある人の目になって活字を音声にして伝える音訳ボランティアを初めて知りました。そこで「自分も本を読んで誰かの役にたてたら」と思ったのがきっかけです。
音訳する上で気を付けていること
久野
感情を込めて、声に抑揚を付けた読み方をする絵本の読み聞かせと違い、音訳は感情を声に出さずトーンを一定にすることに気を使っています。聞いている人が疑問を持ったり、不安を感じたりしないように明るい声で聞きやすく、情報がしっかり相手に伝わるように発声しています。
鈴木
写真や図など、目で見れば頭に入ってくる情報も目から情報を得られないとなると話が違います。どうすれば目で見るのと同じ情報が伝えられるのかを考えます。「広報あづみの」でもよく登場するフローチャートなどの図は、パターン毎に一度文章にしたり、写真の説明は情景がしっかり伝わるような言葉を選んだりと工夫しながら音訳しています。
音声に込める思い
久野
「最近細かい字が見づらくて、なかなか本を読む気になれない」と思っている人にはぜひ、活用してもらいたいです。いくつになっても「情報を得ることの楽しみ」を持ち続けてもらい、人生を豊かにしていただけたらうれしいです。
鈴木
視覚に障がいがある人が知りたい情報を得られたとわかった時が一番うれしい瞬間です。私たち音訳ボランティアも情報が伝わった喜びを感じられ、お互いが笑顔になるのも魅力の一つです。多くの人に音訳ボランティアの取り組みを知ってもらい、利用してもらい視覚に障がいがある人の笑顔がもっともっと広がっていってほしいです。
<Memo>
●音訳ボランティアの募集
市では、広報紙の読み上げ、対面朗読などを行う音訳ボランティアを随時募集しています。詳細は中央図書館(Tel84・0111)まで問い合わせください。
●図書館の読書支援サービス
大活字本の購入や読書バリアフリー用品の設置など、視覚障がいがある人や読書することが困難な人のためのサービスを提供しています。読むことにお悩みがある方はぜひご相談ください。
<外部リンク>