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全ては思い描く一枚のため 一途に挑み続ける

記事ID:0133619 更新日:2025年10月23日更新 印刷用ページを表示する

雷鳥を愛し、ありのままを表現する雷鳥写真家

レンズを通して、雷鳥の生態や魅力を伝え広めている高橋さんに話を聞きました。

高橋広平さん  

高橋広平さん 

1977年北海道苫小牧市生まれ。山小屋で働きながら独学で写真を始め、2017年に雷鳥写真家として独立。「雷鳥とその生態系」をテーマに、全国各地で写真展を開くなど精力的に活動している。

人生を変えた一目ぼれ

幼い頃はおとなしい性格で絵を描くことが好きでした。出身地の北海道苫小牧市は多くの工場が集まる工業が盛んな地域。フェンス越しに見える工場の絵をよく描いていました。登山を始めたのは会社員だった20代後半、友人の誘いがきっかけです。山に登り始めて1年経った頃、夏の北アルプスで人生を変える出会いがありました。何かの気配を感じて足元に視線を向けると、目に入ってきたのは今まで見たことがないとてもかわいい生き物。急いで写真を撮って調べると、雷鳥だと分かりました。
それからは雷鳥に会うために時間のある限り山へ出かけるようになりました。「また会いたい」という思いが日に日に強くなり、勤めていた会社を辞め、山小屋へ転職。雷鳥写真家として独立するまで9年間働きました。山小屋では食事作りから施設の修理、登山道の整備に至るまで、体当たりで仕事に励みました。雷鳥を記録するために写真を撮り始めたのもこの頃です。独学で始めましたが、構図の取り方など幼い頃に絵を描いていた経験が思いがけず役に立ちました。忙しい日々でしたが、間近で雷鳥を見て習性を学び、撮影する技術を磨くことができたのは貴重な時間でした。

高橋さんの写真の展示会 雷鳥が向かい合っている 

浮かぶイメージ研ぎ澄ます

私は撮りたい写真が絵コンテのように次々と頭に浮かんでくるので、そのイメージと同じ状況を現実に見い出して撮影をしています。積み重ねてきた知識と感覚を研ぎ澄まし、雷鳥の動きや撮影場所、天候などの条件を予測し全てがぴったり合う状況でシャッターを切ります。自然が相手なので、うまくいかないこともしばしば。中には7年かけてやっと思い描く一枚が撮れたこともあります。自分のイメージ通りに写真が撮れた時に込み上げるうれしさは格別です。
長い時間を共にし、撮影してきたことで雷鳥の見た目や表情、性格の違いを見分けられるようになりました。雷鳥も人間と同じように、リラックスしていることもあれば、機嫌を損ねていることもあります。他の条件がそろっていても主役の雷鳥が良い表情をしていなければシャッターは切りません。植物や他の生き物を撮ることもありますが、それは雷鳥を引き立たせるため。雷鳥でなければカメラを向けても、撮りたいという熱が帯びてきません。それは、雷鳥の存在が自分の生き方を形づくってきたから。そのくらい好きで代わりになるものがない存在ですから、これからも雷鳥写真家として挑戦を続けていきます。

<MEMO>

●雷鳥
​​日本アルプスなどの高山地帯に生息し、国の天然記念物に指定されている。外敵から身を守るため、夏は白・黒・茶色のまだら模様、冬は白色に羽の色が変わる。​​

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