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四季折々の風景
安曇野らしい四季の変化を紹介します。
春
生命感と活気にあふれ、自然が最高に躍動する季節。まだ少し肌寒い3月上旬ごろから見ごろを迎える「わさびの花」が安曇野に春を告げます。4月中旬になると気温も上がり、田植えの準備や果樹の手入れなど、人々の農の営みが始まります。野には花が咲き乱れ、木々は芽吹き、残雪のアルプスが安曇野を美しく彩ります。
安曇野に春を告げる 可憐な十字花(ワサビの花)
安曇野のぜいたくな春の味覚「わさびの花」。この時期、直売所では白く可憐なわさびの花が店頭に並び、わさびの花を使った「おひたし」が食卓にのぼります。清らかな湧き水で育った安曇野わさびは、ツンとした辛味と清涼感ある風味が特徴。春の到来を感じる安曇野の味覚です。
田植えを知らせる「雪形」&北アルプスが映る「水鏡」
安曇野から見上げる北アルプスの峰々。その中でも特に優美で堂々たる姿を見せる「常念岳(じょうねんだけ)」。常念岳に積もった雪が少しずつ溶けていくと、山肌と残雪が織りなす大自然のアートが姿を現します。4月中旬から5月の山肌に現れるお坊さんの雪形「常念坊(じょうねんぼう)」は、この地で古くから田植えの時期の目安とされていました。遅れること約3週間で「万能鍬(まんのうくわ)」の雪形が出現。さらに蝶ヶ岳にも、その名の由来となった「蝶」の雪形が現れます。また、田んぼの水面に、北アルプスの山々が見事に映り込む「水鏡(みずかがみ)」は、早苗の時期にしか見られない絶景です。
夏
安曇野の梅雨は例年6月半ば頃。梅雨が明けると、緑を湛えた山々の背景には真っ青な夏空が広がります。安曇野に涼しい印象をもつ方も多いかもしれませんが、日中は30度を超える真夏日もしばしば。しかし、湿気は少なく、ジメジメとした暑さではありません。盆地特有の気候を持つ安曇野の朝晩は涼しく、北アルプスの冷えた空気が里に降り、心地よい夕涼みを楽しむことができます。
真夏でも15℃以下!清々しい伏流水
名水百選にも認定されている「安曇野わさび田湧水群」は、北アルプスからの雪解け水が伏流水として湧き出し、真夏でも水温が15℃を超えることはありません。また安曇野市の水道水源は山々が生み出した100%の地下水。良質な水を毎日の暮らしの中で豊富に利用することができます。しかも水質は「超軟水」のため、ご飯がふっくら炊きあがり、お茶やコーヒーなどの飲み物の味を引き立てるといわれます。
秋
秋になると安曇野の雄大な景色に紅葉のコントラストが浮かび上がります。紅葉色や黄金色に輝く山々や里に実る稲穂の風景は、散策するだけでも心豊かにしてくれます。また、土地の標高差が大きいため、10月上旬から11月末まで、見ごろの場所を変えながら長い期間紅葉を楽しむことができるのも安曇野の魅力。秋の到来とともに、美味しい水と豊かな土壌で育った作物の収穫が始まり、食卓も秋の味覚で飾られます。
実りの秋は、豊富な作物が目白押し!
特にこの時期は、市内に数多くある直売所が活気を見せ、多くの買い物客でにぎわいます。新米に新そば、野菜、果物などが店頭に並び、新鮮な作物を安価に手に入れることができます。また、収穫の喜びを伝える食のイベントも開催されるほか、地元産食材を扱うカフェやベーカリーでは、旬のメニューが楽しめます。
冬
安曇野の、特に山沿いの地域では、うっすらと積もる程度の雪が頻繁に降ります。多い時では年に2、3回、20から40センチ程度の積雪がある場合があり、雪かき用具は必需品。また、朝晩は冷え込むため、路面が凍結することも多く、12月から3月頃までは車にスタッドレスタイヤの装着が必要です。雪対策は必須ですが、雪の安曇野も風光明媚。真っ白な北アルプスを背景に、田んぼやわさび田が雪化粧に染まる晴れた日の景色は格別の美しさがあります。
一見の価値あり!早起きして北アルプスの朝焼けを見よう
冬の安曇野の風物詩といえば、澄んだ空気の中に浮かび上がる北アルプスの美しい峰々です。その姿は神々しく荘厳。特に澄み切った青い空とピンク色に染まる山の朝焼けは、この時期にしか見られない絶景。この朝焼けの現象はモルゲンロートとも言われ、地元でも愛される冬ならではの特別な景色です。
今も地域に息づく 子どもたちの祭り「三九郎」
小正月に行われる火祭り、「三九郎」。全国的には「どんど焼き」の名で知られる、木で組んだやぐらの周りに、その年に収穫した米や麦などのワラを重ね、さらに正月飾りやダルマ、書き初めなどを飾り付けて燃やす地域の伝統行事です。大人がやぐらを建て、子ども達が地区内の正月飾りを集め、一カ所で燃やして天に送り出すことで、一年の五穀豊穣や無病息災を願います。脈々と受け継がれ、現代の子ども達の心もはぐくむ大切な祭です。