あづみの市では、ゆたかなわき水をつかって“ワサビ”が育てられています。ワサビは、さしみ、そば、すしなどの“薬味(やくみ)”として親しまれています。また、産地(さんち)ならではの味として、“ワサビづけ”やワサビの花のおひたしなども作られ、おみやげとしても人気です。
ワサビ作りがあづみのでさかんになりはじめたのは、明治(めいじ)のはじめごろからです。
今、ワサビ畑が多くある場所では、むかしは“ナシ”が作られていました。そのころは、ナシ畑の水はけ用の水路で、ワサビは作られていました。
はじめは自分たちが家で食べるために作っていたワサビですが、明治20年代ごろから“かすづけ”が作られるようになりました。これが新潟(にいがた)や東京へ売りに出されると、高いねだんで売れるようになりました。ナシよりも高く売れるようになったことから、農家もワサビをたくさん作るようになっていきました。
今では、長野県で作られるワサビのほとんどを、あづみの市で作っています。また、全国でいちばん大きなワサビ畑があるのも、ここあづみの市です。