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皆様、おはようございます。定例会開会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
本日、令和8年安曇野市議会3月定例会を招集させていただきましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜り、お礼申し上げます。
この度、市長に当選させていただきました。市長の重責をお預かりすることとなりましたが、私に課せられた使命は、市政を停滞させることなく、着実に前へ進めていくことだと考えております。このことから議会臨時会の冒頭あいさつでも申し上げましたとおり、「住んでよかった ゆたかな安曇野を未来へ」という理念のもと、前市長が掲げてこられた政策をできるかぎり継承するとともに、社会情勢の変化等による新しい課題にも取り組みながら、市民の皆様が安全で安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。
まずは物価高騰対策、そして精神障がい者への医療費助成の拡大、4ヶ所の児童クラブの整備、災害対策の備えとして、けん引型トイレカーの導入、空き家を活かしたまちづくり、多様な学びを保障するためのフリースクール等利用児童生徒の施設利用費の一部助成と言った新たな事業にも取り組みます。また、自主財源の確保にも十分配慮しながら、市民の皆様の声に耳を傾け、職員と共に、安曇野市の発展に全力で尽くしてまいります。市民の皆様をはじめ、議員各位、職員、そして関係者の皆様の格別なお力添えをいただきますよう、今後ともよろしくお願い申し上げます。それでは、市政の状況について、安曇野市総合計画に掲げております各目標に沿って報告いたします。
まずは、「いきいきと健康に暮らせるまち」についてです。
安曇野市では、安曇野市医師会とともに「安曇野市リビングウィル」を作成しました。リビングウィルとは、人生の最期まで自分らしい生活をおくるために、どのような医療やケアを望むかを、本人があらかじめ書面に残しておく意思表示のことです。リビングウィルを作成することで、医療や介護が必要になったとき、自分だけではなく、ご家族や大切な人の助けになります。安曇野市では、本年1月から高齢者介護課および各地域包括支援センターにおいて、市職員が内容を説明したうえで「安曇野市リビングウィル」の配布をしております。
続きまして、令和8年4月診療分からの精神障がい者に対する医療費助成の拡大に向け、令和8年度福祉医療費給付事業予算の扶助費として、入院医療費助成にかかわる予算1,388万7千円を当初予算に計上しております。本事業は、長野県が進めている福祉医療制度の改正に合わせ、安曇野市では、精神障がい者の助成対象を入院まで拡大するものです。なお、長野県による補助は所得制限を設けておりますが、安曇野市では所得制限を設けず、精神障がいによる受給資格者を給付対象にしてまいります。これにより、本人およびご家族の経済的負担の軽減を図るとともに、医療機関への適正な受診機会を確保し、疾病の重症化を防ぐ効果を期待しております。
また、安曇野市では、日常的に介護が必要な医療的ケア児の家族への支援として、令和8年4月から新たにレスパイト事業を創設する費用も新年度予算に計上しております。レスパイト事業を訪問看護ステーション等に委託することで、在宅の医療的ケア児と家族の健康維持や休息時間の確保など、在宅等で一時預かりをしてもらい介護負担の軽減を図ります。
物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した「ひとり親世帯等への児童1人当たり1万円の給付」につきましては、本年1月の議会臨時会において補正予算の議決をいただいたため、現在、2月25日の給付に向けた準備を進めております。また、「こども誰でも通園制度」につきましては、令和8年度からの本格実施に向けて、公立園1園での実施準備を進めるとともに、関係条例等を整備して、市内私立園向けにも制度実施に向けた必要な手続等の説明を行っております。さらに、安曇野市では、公立認定こども園および幼稚園で子どもたちが安心してのびのびと遊べる園庭を整備し、屋外で運動や遊びをする楽しさを体感するとともに、体力の向上や身体面での発達等を促すことを目的として園庭芝生化の取り組みも進めております。令和7年度は、堀金、三郷東部、たつみ、豊科南部、豊科、南穂高の6認定こども園において工事が完了し、これにより芝生化が完了した園は、合計9園となりました。令和8年度も引き続き、園庭の芝生化を行い、令和10年度までに全園での芝生化を目指してまいります。
国の少子化対策強化に伴い、全世代、全経済主体が子育て世帯を支える仕組みの「子ども・子育て支援金制度」が令和8年度から開始となるため、すべての医療保険者が医療保険料とあわせて「子ども・子育て支援金」を徴収することとなります。安曇野市国民健康保険についても、子ども・子育て支援金分の課税が令和8年度から開始となるため、安曇野市国民健康保険運営協議会において、子ども・子育て支援金分を含む国民健康保険税の税率等について協議をしていただきました。安曇野市国民健康保険運営協議会からは、子ども・子育て支援金分は、長野県が示す安曇野市の標準保険料率や納付金額を参考にした税率等にすることとし、令和8年度は医療保険分、後期高齢者支援分、介護保険分の税率を据え置きとするよう答申をいただきました。このことから、子ども・子育て支援金分における国民健康保険税条例の改正は、3月定例会最終日に上程させていただく予定です。
次に、「魅力ある産業を維持・創造するまち」についてです。
南安曇農業高等学校と安曇野市の連携事業のひとつとして、生徒の皆さんと公募により参加いただいた市内の事業者の皆様とともに「安曇野オリジナル商品開発プロジェクト」に取り組みました。本年度(令和7年度)に商品案として採用された9案につきましては、2月13日に商品案の採用報告会が行われ、私も出席いたしました。生徒の皆さんは、商品化を目指して一年間試行錯誤しながらも商品案を作成し、参加事業者の皆様には、生徒たちへのアドバイスなどをいただきました。当日は試食も行われ、どの商品案も食材を生かして個性豊かで大変おいしくいただきました。また、しっかりとコストも意識しながら作られており、ここまで仕上げるには生徒の皆さんの努力はもちろん、事業者の皆様と先生の指導の賜物と大変感動いたしました。今後、事業者の皆様におかれましては、一日も早く商品として売り出していただければと思っております。また、安曇野市といたしましても商品となりましたら、あずさマルシェをはじめとした首都圏等でのイベントでPRさせていただきたいと考えております。
令和8年6月7日に開催されます「第12回信州安曇野ハーフマラソン」のエントリー受付を1月24日から開始したところ、ファミリーランの部は、即日30分足らずで定員に達しました。また、ハーフマラソンの部につきましても、受付開始から僅か3日目で定員に達したため、1月26日には、エントリーを締め切らせていただきました。信州安曇野ハーフマラソンが、ランナーの皆様から非常に高い評価をいただき、人気の大会へと成長したことは、市民の皆様をはじめ、これまで大会を支えていただいた団体や企業、そして、ボランティアの皆様のご支援とご協力によるものであり、改めて心から感謝を申し上げます。第12回大会につきましても、これからボランティアの募集等を順次行ってまいりますので、引き続き皆様のご協力をお願いいたします。ハーフマラソンを通じて、安曇野の自然や歴史、文化などの多様な魅力を全国に発信するとともに多くの安曇野ファンを獲得できるよう、おもてなし意識の向上とスポーツを通じた地域の活性化を目指してまいります。
古民家を活用したまちづくりを推進するため、「本陣等々力家」の再生・活用に向け、官民連携で事業協議を行っていた「扉ホールディングス」など3社が設立した共同事業会社と、PFI法によるBTO方式を活用した事業契約について、本年1月の臨時会で議決をいただき、1月29日に契約を締結いたしました。宿泊施設や世界的建築家の伊東豊雄氏が設計するレストランを備える複合施設として再生し、観光客の誘客や地域の活性化および域内需要の拡大など、まちの魅力や価値向上に繋がる観光拠点として活用を図ります。歴史的・文化的価値のある古民家に、時代に応じた新たな価値や役割を付加することで、後世に引き継いでいけるよう整備を進めてまいります。
続きまして、「安全で安心に暮らせるまち」についてです。
安曇野市職員の災害対応能力向上のため、地震災害を想定した第2回目の災害対策本部訓練を2月2日に実施いたしました。今回の訓練は、被災時に予測される課題の抽出と対応方針の確認などを重点に行いました。また、3月7日には、市民向けの防災啓発として、親子を対象とした防災ワークショップを開催する予定です。昨年、「普段の生活に取り入れられるアウトドア防災」について防災講演会を開催したところ、市民の皆様から大変好評をいただいたことから、本年もアウトドア防災ガイドの あんどう りす さんを講師としてお招きします。このワークショップは、仮想空間で災害を体験できるVRゴーグルや災害時トイレなどの防災アイテムを使って親子で楽しく防災について学んでいただけるものであり、世代を超えた防災意識の向上を目的としております。安曇野市としましては、有事の際には、職員だけでなく市民の皆様も適切な対策がとれるよう、引き続き訓練等を重ねてまいります。
続きまして、「自然と暮らしやすさが調和するまち」についてです。
空き家対策につきましては、令和5年の法改正により指定が可能となった「空き家等管理活用支援法人」として、本年1月に安曇野市では初めて、「一般社団法人全国空き家アドバイザー協議会」と「一般社団法人信州中古住宅流通ネットワーク」の2法人を指定いたしました。これらの法人は、安曇野市の空き家対策を補完する役割を担うものであります。各法人の安曇野支部に所属する不動産業や建設業等に携わる皆様が相談会の開催などを通じて、専門家としての知見や構成員のネットワークを活かし、所有者等からの利活用や解体・除却に関するさまざまな相談に対応していただきます。安曇野市では、今後も官民連携を一層強化し、市内の空き家の解消に努めてまいります。
続きまして、長野県が整備を進めております松本糸魚川連絡道路「安曇野道路」につきましては、用地取得が順調に進んだことから本年1月下旬より、「安曇野道路」に影響する農業用水路や市道の付替え工事に着手するなど、道路本体工事に向けた準備が進められております。また、安曇野市が進めております「安曇野道路」と国道19号を繋ぐアクセス道路につきましても用地取得を進めており、本年秋以降の工事着手を目指しております。安曇野市としましては、引き続き、長野県と連携しながら事業を進めてまいります。
続きまして、「学び合い人と文化を育むまち」についてです。
安曇野市では、指定等文化財をはじめ、地域で大切に守り伝えられてきた「地域の宝物」を次世代へ継承していくため、その方針と具体的な取り組みを示す「文化財保存活用地域計画」の策定を進めてまいりました。昨年12月19日には、文化庁の認定を受けたところであります。計画期間は、令和8年度から令和15年度までの8年間としております。今後は、この計画に基づき、まちづくり行政、観光行政、景観行政などと連携しながら、人と人との結びつきの中で大切に守り、受け継がれてきた「地域の宝物」を活用し、後世へ伝え残してまいります。
また、安曇野市では、第2弾となるミュージアムカードを作成しました。今回は、市内の公立および民間の美術館や博物館、古民家など、25の施設にご参加をいただいております。カードは、ご参加いただいた各施設において、昨年12月9日から配布しております。カード集めをきっかけに、多くの皆様に安曇野の文化に親しんでいただきたいと考えております。
さらに、安曇野市美術館では、令和8年5月2日から31日までの会期で「第118回日展安曇野展」を開催するよう準備を進めております。わが国最大規模の展覧会である「日展」が安曇野で開催されるのは、令和4年に続き2回目となります。三郷在住の日本画家・岸野圭作さんの作品が、この展覧会の最高賞である内閣総理大臣賞を受賞しました。このほかにも、わが国の最高水準の多彩な美術作品を展示する予定となっておりますので、多くの皆様のご来場をお待ちしております。
市内5地域の芸術文化協会で活動するグループなどが一堂に会し、日頃の研修の成果を披露する「第5回安曇野市芸能フェスティバル」を令和8年3月1日に豊科公民館ホールで開催する予定です。また、令和8年3月5日から13日までの期間では、豊科交流学習センター「きぼう」で「第15回安曇野市総合芸術展」を開催し、各地域の文化祭で選抜された作品を展示する予定となっております。これらのイベントについて、多くの皆様のご来場をお待ちしております。
国が進める小学校給食費の抜本的な負担軽減策を受け、安曇野市では、国が定める基準額を超える部分を市が負担することで、令和8年度から小学校の給食費を完全無償化いたします。また、中学校の給食費につきましては、令和8年度も保護者負担額を据え置き、令和5年度以降の値上がり分につきましては、これまでと同様に市が負担することで、引き続き保護者負担の軽減を図ってまいります。
続きまして、「みんなでともにつくるまち」についてです。
昨年12月6日に豊科公民館におきまして、「人権のつどい」を開催いたしました。今回は、市制施行20周年の記念事業として、政治学者である姜尚中さんをお招きし、「社会のバリアフリーを目指して」と題してご講演をいただきました。姜尚中さんは、恩師である藤原保信氏が安曇野市の出身というご縁があり、「誰もが輝ける共生社会」を目指している安曇野市のためにと、特別にご講演をいただいたものです。参加された方からは、「色々な例を取り上げて説明していただき分かりやすかった」「新しい視点で人権問題を考えるヒントを頂いた」といった感想が多く寄せられ、内容に高い評価をいただきました。今後も、人権の集いについては、より幅広い年齢層の方にも参加していただけるよう検討してまいります。
「いじめ反対」の世界的な取り組みである「ピンクシャツデー」運動につきまして、本年は2月25日が「ピンクシャツデー」となります。この運動の周知を図るとともに、市として賛同の意思を示すため、2月9日から2月26日までの間、本庁舎1階の東側ロビーにおいて展示を行っております。安曇野市としましては、今後も折にふれて啓発展示を実施し、いじめのない社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
現在、安曇野市市民活動サポートセンターは、本庁舎2階の地域づくり課を相談窓口とし、1階東口に情報コーナーを設置しておりますが、令和8年4月1日から堀金支所1階の市民活動室に移設し、職員を配置いたします。堀金支所への移設により、情報コーナー、相談窓口、団体等が打ち合わせや交流などに利用できるフリースペースを一体化し、利便性を高めることで、センターの機能強化及び市民活動拠点の充実を図ります。
最後に、「その他の取り組み」についてです。
市制施行20周年を記念して招聘した、「出張!なんでも鑑定団in安曇野」の公開収録が、昨年12月21日に豊科公民館で行われました。鑑定品の募集では207名から274点の応募があり、観覧には300組の定員に対し、約1500組の応募がありました。この模様は、2月24日にテレビ東京で放映され、長野県では3月15日にテレビ信州で放映される予定です。
以上、市政の状況についてご説明しました。
さて、本定例会に提出いたしました案件は、報告が1件、議案が39件で、この内、条例の関係が10件、予算関係が24件、その他が5件です。
令和8年度一般会計当初予算の予算編成を行うに当たって、第2次安曇野市総合計画 後期基本計画における市の将来ビジョン「自然、文化、産業が織りなす 共生の街 安曇野」の総仕上げに向けた取り組みと前太田市政の継承、物価高騰に対する生活支援を意識して予算編成に取り組みました。令和8年度当初予算の総額は481億8,000万円となり、前年度比で20億7,000万円の減額、率にして4.1%の減少となります。減少となった主な理由としましては、令和7年度に旧合併特例事業債が発行期限を向かえることから、前年度当初予算は、事業の前倒しや大規模な施設改修事業を複数予算化し、事業費が拡大しておりました。
令和8年度は、その事業が終了したことから、事業費が平準化され、当初予算は減額になっております。物価の上昇、国における予算や税制改正が不透明な中での予算編成となりましたが、引き続き健全財政を維持しながら「住んでよかった ゆたかな安曇野」を実現できるよう取り組んでまいります。一般会計補正予算(第7号)につきましては、ふるさと寄附金の増額を見込んだ返礼品等に係る経費と国の補正予算による補助金や交付金の追加内示により、令和7年度に予算措置された市道新設改良事業費や小学校の施設改修事業費等を増額いたしました。
一方、各事業費の確定見込みにより不用となる額を減額した結果、全体として2億5,100万円を減額し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ544億100万円とするものです。
以上、よろしくご審議いただきますようお願いいたします。