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皆様、おはようございます。
定例会開会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
本日、令和6年安曇野市議会12月定例会を招集させていただきましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜り、お礼申し上げます。
この秋、各地では多くのイベントが開催され、市内外に向けて安曇野市をPRすることができました。
まずは、9月20日と21日の2日間、JR東日本をはじめ、関係企業の皆様にご協力をいただき、JR新宿駅ミライナタワー改札外におきまして「ルミネアグリマルシェ」とコラボした「安曇野市×あずさマルシェ」を開催しました。両日とも、私とJAあづみの宮澤代表理事組合長がトップセールスを行い、特急あずさで輸送した朝どれのスイートコーンやシャインマスカットなど、安曇野産農産物をPRしてまいりました。あずさマルシェブースでは、販売開始前から長蛇の列ができ、ルミネアグリマルシェとしては過去一番の人だかりができたとのことで、安曇野の農産物の魅力が定着してきた手ごたえを感じました。イベント出店に応募いただいた農家や企業の皆様には、農産物や安曇野の特産物を販売していただきました。また、南安曇農業高校の生徒の皆様には、「安曇野オリジナル商品開発プロジェクト」から生まれた「南農カステラ」を直接販売していただきました。出展者からは、このイベントを通じて認知度があがったことで、首都圏での新たな販路開拓にもつながったとの報告もいただいております。多くの方が行き交う「新宿駅」での開催という強みを生かし、農産物の販売にとどまらず、安曇野の魅力を確実にPRできたものと考えております。
続いて、10月31日には、こちらも私とJAあづみの宮澤代表理事組合長が東京都中央卸売市場「大田市場」に出向いて、安曇野産りんごのトップセールスを行ってまいりました。初せりに先立ち「安曇野市のブランドりんごは、糖度と酸味のバランスに優れ、味や色づきの良さが特徴であり、全国の消費者の皆様に必ずご満足いただける品物である」ことを申し上げPRしてまいりました。大田市場では、安曇野の農家の皆様が丹精込めて育て上げたりんごの評価は非常に高く、ご祝儀相場とはいえ初値で1箱28個入10万円の値がつき、私としましても、大変ありがたく光栄に思います。
11月2日と3日には、第12回を迎えた「信州安曇野 食の感謝祭」が穂高神社特設会場にて開催されました。昨年度に続き、実りの秋を迎えた美味しい安曇野を味わい尽くす食のイベントとして、季節の野菜を使った「安曇野やさいスイーツ」や「安曇野林檎ナポリタン」「安曇野産わさび」「信州サーモン」「地酒」など、安曇野の「食」と特産物の魅力を多くの皆様に堪能していただきました。当日は、友好都市の物販など、総勢76ブースの出店とステージイベント、子ども向け体験イベント、また神社境内では豊穣宝船の奉納を行い、展示後には旬の野菜を来場者にふるまいました。一日目はあいにくの天気となりましたが、二日目は天候に恵まれ、両日を合わせ約2万人のお客様に安曇野の食と実りをご満喫いただき、賑わいをみせました。
各種イベントにご協力いただいた、JR東日本をはじめとする企業の皆様やJA、農家の皆様には、あらためて感謝申し上げます。
さて、10月11日に日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)のノーベル平和賞が決定しました。今議会の会期中にその表彰式があるとのことです。このことは、被爆者の立場から世界に核兵器廃絶を訴え、核兵器の拡散と使用に反対する動きを広めてきた活動が、世界平和への貢献として高く評価されたものです。ウクライナや中東で続く戦闘が収束の気配を見せない中、一部の世界の指導者が核の実践使用も辞さない旨の発言を行っている現状に、ノーベル委員会が発した警鐘を私たちも重く受け止め、さらに訴えを広めなければならないと考えます。安曇野市では、今年6月に市内の中学校を対象にした被爆ピアノのコンサートを行ったほか、7月には「第24回安曇野戦争と平和展」を開催し、広島・長崎の被爆パネルの展示やウクライナの子どもたちの絵画、安曇平戦跡めぐりパネルなどを展示しました。また、8月には市内の中学生を広島平和記念式典に派遣する事業を行い、松本大学と連携して平和学習の充実に努めています。
来年は戦後80年、被爆体験を証言できる人たちも年々少なくなってきております。また、安曇野市制施行20周年を迎えます。安曇野市としましては、平和の尊さについて市民の皆様とともに学び、考え、後世に引き継いでいけるよう、平和推進事業に取り組んでまいります。
それでは、市政の状況について、安曇野市総合計画に掲げております各目標に沿って報告いたします。
まずは、「いきいきと健康に暮らせるまち」についてです。
国の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」として実施する、1人 最大4万円の「定額減税」に伴い、この減税しきれない方々への「調整給付事業」では、11月27日現在で、対象者17,893人に7億4千万円強を支給いたしました。このうち、マイナンバーと連携した公金受取口座の登録をしている、およそ10,000人については、迅速な支給および手続きの負担軽減のため、申請なしで支給いたしました。併せて、デジタル技術の活用による手続きの簡略化のため、LINEを活用した電子申請の受け付けを行い、DXの推進による効果を市民の皆様にも身近に感じていただけたと思っております。また、国の総合経済対策の一環として令和5年度から実施しています住民税均等割非課税世帯及び均等割のみ課税世帯への10万円給付事業についても11月27日現在、令和6年度で新たに対象となった1,448世帯に144,800,000円を支給いたしました。
11月22日の市長記者会見でも申し上げましたが、令和7年4月診療分より、0歳から18歳までの子どもの医療機関等での窓口負担、1レセプト:500円の無料化の実施に向け、準備経費を本定例会の補正予算に計上しております。これは、子どもたちを育む環境の充実を図る政策として重要なものと考えます。子どもの医療費の窓口無料化が、子育て家庭の経済的負担の軽減と 医療機関への受診機会を確保し、疾病の重症化を防ぐ効果を期待しております。
10月8日の豊科中央児童館建設事業新築工事起工式には、議員の皆様や地元の関係者の皆様など、多くの皆様がご臨席を賜り、感謝申し上げます。新しい児童館は、児童や子育て中の皆様が子育て支援の拠点として気軽に訪れ、安全に安心して過ごしていただけるよう、安全性と利便性を向上させた施設整備を進めてまいります。工事は、令和7年9月完成の予定となっており、開館はその11月を予定しております。
続いて、「魅力ある産業を維持・創造するまち」についてです。
10月5日には、安曇野市マウンテンバイクコースを誰もが気軽に利用でき、これからも市民に親しまれる施設になることを目指して、3周年記念安曇野市マウンテンバイクコースフェスティバルを開催しました。このイベントは、コースの指定管理者である元オリンピック日本代表の小林可奈子さんが代表を務めます一般社団法人MSJと安曇野市との共催で開催しました。イベントでは、現役のプロライダー3人をゲストにお招きし、デモンストレーションを行っていただくなど、イベントを盛り上げていただきました。また、タイムトライアル戦も行われ、参加者による熱戦が繰り広げられたほか、元日本代表である公認指導者によるマウンテンバイク初心者教室やE―MTB(イーマウンテンバイク)体験、子どもが参加できるストライダー体験やキッズレースを企画し、大人から子どもまで参加された皆様と一緒にイベントを盛り上げることができました。今後も、指定管理者と連携を図りながら、マウンテンバイクコースの活用促進を図ってまいります。
10月11日から10月13日には、シンガポールで開催された「The Japan Rail Fair2024」に安曇野市ブースを出展し、株式会社大王によるワサビ商品の試食販売や安曇野市観光協会による観光PRなどを行いました。おろしたてのワサビの試食では、ワサビ特有の鼻に抜ける辛さに若干の抵抗を感じる方もいましたが、実際に試してもらうと「今まで食べたワサビと全然違う」「辛いが甘みも強い」など、ワサビ本来の味や香りは現地でも大変好評を博したところでございます。また、ワサビを使った調味料やお菓子など、手に取りやすい商品も揃えたことで、寿司や刺身に使う以外の楽しみ方も提案でき、販売につなげることができました。
観光面では、「長野県」の認知度は高く、実際に訪れたという声も聞かれましたが、「安曇野」の認知にはそこまでは至っていませんでした。安曇野市の特産であるワサビをメインとし、安曇野ならではの「食」と「農」を「観光」と合わせてPRすることで、認知度向上につなげ、今後の販路拡大とインバウンド誘客につなげていきたいと考えております。
移住・定住の推進では、10月18日と19日の2日間、東京駅近くの複合施設「KITTE」にて、信州安曇野ぐらしPR展を開催しました。この取り組みは、郵便局との包括連携協定に基づくもので、2回目となる本年は、2日間に規模を拡大し、市民生活部、総務部、政策部等6部が連携の上、安曇野市が持つ多様な魅力を発信してまいりました。当日は、あづみの移住大使 篠原信一さんのトークショーや移住相談会をはじめ、観光メタバース体験、オオルリシジミの模型づくり等々、さまざまな体験型のワークショップを開催しました。篠原信一さんにはトークショーの後も来場者の呼び込みや記念撮影にも応じていただきました。感謝を申し上げるところです。移住相談には当日飛込での参加もあり好評だったほか、体験型ワークショップにも多くの皆様に参加いただきました。また、特産品の販売では、りんご、ぶどうといった果物をはじめ、夏秋イチゴ、とうもろこし、まつたけ、ジャム等50品目以上を販売しました。特に農産物は、初日にほぼ完売となり、急遽2日目の販売物を手配するほどでした。
会場施設全体は、2日間で約6,000人の来場があり、信州安曇野ぐらしPR展は、大盛況なイベントになりました。運営面では、郵便局の皆様、特に安曇野市内の郵便局の皆様には、準備から細部に至るまで多大なご協力をいただきましたこと、この場をお借りしてお礼申し上げます。
11月9日には、「第9回あづみの里山市」を穂高の林友ハウス工業の敷地をお借りして開催しました。このイベントは、安曇野市内で伐採された樹木を製材することで地域の暮らしに活用し、身近に感じていただくことや地元木材の魅力発信などを目的としています。当日は、多くの皆様が来場し、安曇野市内で伐採した木材の一枚板や針葉樹の規格材、木工キット、狩猟道具、山仕事道具等の展示販売を行い、大勢の皆様にご購入いただくとともに、イス作りワークショップの体験など、里山の恵みを堪能していただきました。今年は会場に「SDGs未来都市」の紹介ブースを設け、安曇野市のSDGsの取り組みとして、地域の魅力発信や課題解決を行う活動である「さとぷろ。」などについてもPRすることができました。森林資源は、植えて、育てて、利用できる持続可能な資源であります。
安曇野市のSDGs取り組みは、ゼロカーボン社会に向けて重要な取り組みだと認識しており、今後継続的に取り組んでまいります。この里山市を開催することで、多くの市民の皆様が地域の木材を身近に感じ、それにより木材の活用が推進され、これからの森林林業、木材産業の発展につながるものと期待しております。地域の林業事業体や安曇野市猟友会、松本地域振興局など、多くの出展者の皆様17ブースに参加いただき、里山市の賑わい創出にご協力をいただいたことに感謝申し上げます。
観光イベントでは、10月26日と27日に明科地域を会場に「安曇野 APPLE HALLOWEEN」を開催し、約3,200人の皆様が訪れました。今年度は、初の試みとして旧国鉄篠ノ井線廃線敷、明科駅前、龍門渕公園を会場とする3つのイベントの主催団体に市も協力し、明科地域でのにぎわい創出や交流人口の拡大を図りました。
また、本日から12月1日(日)までと12月6日(金)から12月8日(日)までの計6日間は、穂高神社境内において、「安曇野(あづみの)神竹灯(かみあかり)」が開催されます。本年は、神竹灯や国営アルプスあづみの公園のイルミネーションも 合わせて楽しんでいただけるよう、11月30日(土)に「安曇野堀金ロゲイニング2024」も堀金地区をフィールドに開催します。
新たな試みや既存の資源を組み合わせ、市内への宿泊や誘客を図りながら、滞在型観光の推進につなげてまいります。
安曇野市観光協会と市観光課では、インバウンド誘致の取り組みとして、10月20日から10月26日にかけて、台湾で市としての訪日教育旅行誘致活動を行いました。この間、高雄市では30校、新竹市とその周辺では20校の学校関係者を集めた説明会を開催し、台北市内では、運通世界旅行社、魔力国際旅行社といった教育旅行専門旅行社など24社と商談を行いました。この説明会や商談では、長野県の中心に位置する立地の良さや台湾には無いロケーション、農家民宿、アウトドアや歴史文化も含めた体験メニューの紹介、官民一体での取り組みなどをPRしてまいりました。現地では、子どもたちの国際感覚を養うため、これまでの高校だけでなく小中学校にも訪日教育旅行実施の取り組みが広がっており、初めて実施を計画する学校からは、学校交流や農家民宿の受け入れの様子、市内で可能な体験メニューなど、多岐にわたって熱心に質問をいただきました。帰国後、説明会に参加した現地の学校からは、来年度の旅行計画にあたり、安曇野市への来訪、宿泊を前提に市内小中学校との交流希望の照会があったほか、旅行会社からは、市内でできるSDGs教育旅行プログラムの提案希望が観光協会に入るなど、取り組みの成果が表れております。
今回の活動をきっかけに教育旅行先として安曇野市が選ばれ、新たな来訪者や相互の児童・生徒の国際理解の促進にもつながるよう、誘致に取り組む県とも連携しながら、現地関係者とのネットワークづくりに取り組んでまいります。
また、多くの観光客の方が安曇野を訪れ、快適に周遊していただけるよう、引き続き各種取り組みを進めてまいります。
北アルプスの主要な登山口駐車場の混雑緩和に向けて、観光課では9月から登山口駐車場管理システムの運用を開始するとともに、専用ホームページやスマートフォンによる混雑状況の情報提供や登山口駐車場周辺でのWi-Fi環境の構築なども行いました。このことは、多くの登山者が訪れる北アルプスでの取り組みとして、全国紙や登山雑誌でも取り上げられました。
今後は、得られた登山者の動向も参考に登山口での効率的な二次交通対策を合わせて図ってまいります。
安曇野市では、一部安曇野市の指定文化財になっております等々力家の再生・活用につきまして、外部の有識者等も入れた検討チームを設置し、検討を進めてまいりました。検討チームからは、「文化財の指定を受けている長屋門を始め、敷地内の建物群や庭を含めて屋敷全体として歴史的・文化的な価値は非常に高く、民間活力の導入により観光施設等として再生・活用を図ることで、事業利益を維持管理や設備投資に還元していくという事業手法が有効であり、将来にわたる持続可能な継承につながると考えられる」との報告を受けました。ただし、民間事業者の参入を促すためには、初期投資の負担軽減が必要です。また、事業性の確保のためには集客力も必要となります。さらに安曇野市といたしましては、市のブランディングに寄与できることも必要と考えているところです。まずは、様々な視点から検討を進めるため、安曇野市が等々力家を取得することも視野に置きながら、民間事業者の皆様から、持続可能で具体的な事業提案を広く募集したいと考えております。いただいたご提案を総合的に判断し、取得及び事業化について最終的な方針を決定してまいりたいと考えております。なお、この事業提案の募集にかかる費用は、本定例会の補正予算に計上しております。
次に、「安全で安心に暮らせるまち」についてです。
元日に発生しました「令和6年能登半島地震」では、未だ多くの避難生活を送られている方がいる中、9月に発生した「能登半島大雨災害」により、被災された皆様に心からお見舞い申し上げるとともに、犠牲となった多くの皆様のご冥福をお祈り申し上げ、一日も早い復旧復興を願うものであります。安曇野市からは現在2名の職員が長期滞在し、この支援にあたっております。この地震により、市では1月5日から災害義援金の受付を開始しました。皆様からお寄せいただいた義援金は、11月1日現在で、8,317,494円となっており、日本赤十字社長野県支部を通じて被災地への送金を行っております。また、「能登半島大雨災害」により被害を受けられた方々への災害義援金の受付を9月27日から開始しております。この他にも7月25日からの大雨災害により被害を受けられた東北地方の方々への災害義援金やレバノン人道危機救援金の受付を行っております。災害義援金の受付では、小さなお子様からご年配の方まで、多くの皆様にご協力を賜り、この場をお借りして深く感謝を申し上げます。災害義援金、救援金の受付につきましては、12月27日(金)まで本庁舎及び各支所で継続しております。また、「令和6年9月能登半島大雨災害」の災害義援金は、令和7年3月31日まで受付を行っております。
安曇野市では、地震や浸水害が発生した際に避難所の開設がスムーズに行えるよう、今年は穂高地域の住民を対象とした避難所開設訓練を8月27日に実施しました。この訓練につきましては、地区の役員のみならず、小学生やその保護者など幅広く市民の皆様にもご参加いただき、段ボールベッドの設置をはじめ、避難所開設にかかる一連の流れについて確認していただきました。また、福祉避難スペースを開設、運営する際の注意点についての学習もグループワーク形式で実施いたしました。今後の予定としましては、職員の災害対応能力の向上のため、12月1日(日)に「糸魚川・静岡構造線断層帯を震源地とするマグニチュード8.0、最大震度6強の地震が発生した」との想定に基づいた災害対策 訓練を実施いたします。今回の訓練は、都市建設部、上下水道部、保健医療部及び各支所と連動したものであり、より実効性の高い訓練となります。
これから降雪の季節を迎えますが、除雪対策につきましては、通勤、通学時間帯前の除雪作業、事業所等に対する除雪協力の依頼などにより、市民生活への影響を最小限に抑えたいと考えております。特に、大型の除雪機械が入らない生活道路や歩道などの除雪、また、機械除雪によって寄せられた雪の除去につきましては、市民の皆様のご理解とご協力が不可欠であります。これまでに各区に貸与しております「歩行型除雪機」を大いに活用していただき、通学路や高齢者世帯の除雪も含め、地域ぐるみの除雪にご協力をお願いいたします。
次に、「自然と暮らしやすさが調和するまち」についてです。
安曇野市では、絶滅のおそれのある動植物や注意すべき生物、重要な自然環境をまとめた「安曇野市版レッドデータブック2014」を発行しておりますが、発行から10年が経過し、動植物の生息状況等に変化が起きていることから、生物多様性アドバイザー等の専門家の皆様の協力を得て、この度、改訂版を発行しました。改訂版の「安曇野市版レッドデータブック2024」は、2014年版と比べて、レッドリスト種は43種増加の717種が掲載され、自然環境に与える影響がある注意すべき生物については、19種増加の60種が掲載されております。レッドデータブックの改訂版は、10月12日と13日に開催された安曇野環境フェア2024から販売を開始したほか、安曇野市内の図書館や博物館でもご覧いただけます。また、概要版も作成しており、希望者には無料で配布をしているほか、安曇野市のホームページからはデータの閲覧も可能になっています。安曇野市としましては、安曇野市の自然環境を守っていくための手引きとして今後も活用してまいります。
次に、「学び合い人と文化を育むまち」についてです。
「小規模特認校制度」により、令和7年4月から、区外から明北小学校への転入学を希望する児童の受付を10月11日に締め切りました。その結果、新1年生4名、新3年生1名、新5年生1名、合計6名の児童が令和7年4月から明北小学校に入学・転学することになりました。明北小学校周辺には、かんだち山や犀川など豊かな自然が広がっており、地域の皆さんも大変協力的です。こうした地域資源を活かした明北小学校ならではの“学び”を通じ、子どもたちが実りある学校生活を送ることを期待します。
安曇野市教育委員会では、10月17日にキャリア教育の一環として市内の中学校1年生を対象に、本市では初となる「中学生キャリアフェスティバル」を穂高総合体育館で開催しました。当日は、安曇野市内で事業を手掛ける事業所56のブースが並び、仕事の内容、やりがい、苦労や喜びについて語り合いました。参加した中学生の感想の中には「最初は将来のイメージがわかなかったが、働く大人の本音を聞いて役に立ったし、仕事をしてみたいと思った」など、自分の将来について考えるきっかけになったという内容の感想が多数ありました。また、参加された事業所の皆様からも、中学生の考えを知る貴重な機会となったこと、事業所間で交流を深める場となったことなどの感想をいただき、産官学が繋がる新たな場になったと感じています。安曇野市としましては、来年度も継続していきたいと考えています。
第82回国民スポーツ大会・第27回全国障害者スポーツ大会が5年後の2028(令和10)年に長野県で開催されることを受け、10月29日に安曇野市実行委員会設立発起人会を発足しました。安曇野市が会場となる競技は、国民スポーツ大会では、正式競技のバレーボールとウエイトリフティング、公開競技ではダンススポーツが開催されます。また、全国障害者スポーツ大会では、バレーボールが開催されます。トップアスリートの競技を身近で観戦することで市民のスポーツへの関心を高め、スポーツの裾野を広げる絶好の機会と捉えています。当大会が盛大に開催することができるよう、市民の皆様や関係団体の皆様にもご協力いただきながら、開催準備に取り組んでまいります。
文化施設の大規模改修事業では、開館から30年が経過し、老朽化している豊科近代美術館の大規模改修を行い、令和7年8月にリニューアルオープンを予定しています。また、芸術系大学との連携を深めるため、その制作滞在拠点として活用できるよう、鐘の鳴る丘集会所の改修も行っております。他には、豊科郷土博物館には階段昇降機を設置し、今後は博物館入り口のスロープの改修も進めます。また、明科子どもと大人の交流学習施設と高橋節郎記念美術館の空調機器改修工事にも着手しており、年度内の完成を予定しております。
今後も、市民の皆様が安全かつ快適に施設が利用できるよう整備を進めてまいります。
続いて、「みんなでともにつくるまち」についてです。
安曇野市では、全ての人が可能な限り、公平に社会参加し、自立できる生活環境の実現を目指し、ユニバーサルデザインの考え方に基づく取り組みを推進しています。昨年度から市職員を対象とした「ユニバーサルデザイン研修会」を開催し、今年は10月18日に株式会社ミライロによるユニバーサルマナー検定3級を50人の職員が受講しました。演習問題について話し合うグループワークを通して、障がい者や高齢者など、多様な方たちとの向き合い方や声かけの方法を学びました。日常生活や家庭、職場、地域活動において自分とは異なる誰かのことを思いやり、行動することが大切です。年齢や性別、性的指向・性自認、国籍、障がいの有無などにかかわらず誰もが利用しやすく、暮らしやすい社会となるように設計するという「ユニバーサルデザイン」の考えを安曇野市では多様性を尊重し合う共生社会実現のため、皆様に伝えていきたいと考えております。内閣府では、毎年11月12日から11月25日までの2週間、「女性に対する暴力をなくす運動」を実施しています。安曇野市では、この運動に合わせて11月9日に安曇野市ジェンダー平等推進ネットワークと共同で「性教育講座」を開催しました。普段は話しづらい「性に関する話題」を様々な世代の参加者がボードゲームを通じて気軽に語り合える内容としました。また、11月11日から本日まで安曇野市役所1階ロビーでは「広げようパープルリボン運動」と題したバナー展示のほか、市内図書館では関連図書の展示やパンフレットなどの配布を行っています。
今後も継続して「女性に対するあらゆる暴力の根絶」を広く呼びかけるとともに、被害を受けた女性に対しては、「ひとりで悩まず、まずは相談を。」というメッセージを発信してまいります。
以上、市政の状況についてご説明しました。
さて、本定例会に付議を予定している案件は、報告3件、議案12件で、この内、条例関係が6件、予算関係が5件、その他が1件です。
一般会計補正予算(第4号)につきましては、年度末までに過不足が予想される予算について計上しております。
歳入は、市民税、固定資産税の増額、今年度の実績見込みを踏まえた「ふるさと寄附金」の増額などです。また歳出は、障がい者支援事業、市制度資金貸付事業など実績見込みによる増額、三郷西部認定こども園建設事業の事業費確定、三郷東部認定こども園建設事業の年度内支払額確定による公立認定こども園整備費の減額。また冒頭に申し上げた、子どもの福祉医療費「1レセプトあたり500円」の窓口負担無料化に向けた準備費用を含む福祉医療費給付事業の増額、高校・大学等への入学準備金貸付事業の所得要件を緩和したことから申請者の増加を見込むなど、2億7,700万円を増額し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ525億3,800万円とするものです。
以上、よろしくご審議いただきますようお願いいたします。