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皆さま、おはようございます。
定例会開会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
本日、令和7年安曇野市議会9月定例会を招集させていただきましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜り、お礼申し上げます。
この夏、安曇野市の各地域でイベントが開催され、多くの市民の皆様にご来場いただきました。7月26日は豊科地域で「あづみ野祭り」、8月2日には穂高地域で「穂高納涼祭」、8月11日には三郷地域で「三郷ふるさと夏祭り」が開催され、いずれも地域のにぎわいと活性化につながったものと考えております。
今後の予定としましては、8月30日に堀金地域にて「常念フェスティバル」、9月13日は県の下水道処理施設にて「アクアピア安曇野ふれあいデー」が開催される予定です。常念フェスティバルでは、「朝を楽しみ 水とも遊ぼう あづみ野堀金」をテーマに、堀金中央公園周辺にてステージ発表や仮装行列などが予定されています。「アクアピア安曇野ふれあいデー」では、「サイサイと学ぼう どうなってるの 下水道」をテーマに、処理場見学などが実施されます。いずれのイベントも、子どもから大人までお楽しみいただける内容となっております。皆様のご来場を心からお待ちしております。
今年、2025年は、我が国が終戦を迎えてから80年という節目の年にあたります。安曇野市では、平和な暮らしを次世代へ引き継いでいくため、「戦後80年平和記念事業」として、様々な取り組みを実施しております。
まず、7月5日には、安曇野市名誉市民である熊井啓氏が助監督として携わった映画「ひろしま」の上映会を開催いたしました。当日は市内のみならず、 市外や県外からも多くの方にご来場いただき、原爆投下前後の広島の様子を知り、改めて平和の大切さについて考える 機会となりました。
続いて、7月31日から8月3日までの4日間、「平和憲法を活かす安曇野の会」の皆様との共催により、「第25回安曇野戦争と平和展」を開催いたしました。広島・長崎の被爆パネル、ウクライナの子どもたちが描いた原画、安曇平の戦跡や知覧特攻平和会館の展示パネルなどを通して、原爆の惨状や復興の歩み、戦争と安曇野市の関わりをご覧いただきました。展示を通じて、戦争のない平和の尊さを改めて実感していただき、身近なところから平和の実現に向けた行動につなげていただけることを願っております。
8月2日には、「知覧特攻平和会館 出張講話」を開催し、県内外から約300人の方にご参加いただきました。鹿児島県南九州市知覧より、語り部と学芸員の方をお招きし、特攻の歴史背景や隊員の出撃前の様子、安曇野市出身の特攻隊員について、写真や遺書などを用いてお話しいただきました。会場には、涙を流しながら話に耳を傾ける方も多く、命の重みと尊さを深く感じる貴重な機会となりました。
また、豊科郷土博物館では、8月2日から10月5日までの期間、企画展「日中戦争・太平洋戦争下の安曇野の人々」を開催しております。安曇野市域出身の2人の特攻隊員と1人の女子挺身隊員の姿を丁寧に追い、戦時下で生きた若者たちの実像を明らかにする展示となっております。
8月7日から10日にかけては、長崎県で開催された「平和首長会議被爆80周年記念総会」に私も出席いたしました。この会議は、世界166か国、約8,500都市が加盟するもので、自治体同士が絆を深め、世界平和に向けて連帯することを目的としています。この会議の分科会において、私も安曇野市の平和と環境施策について発表の要請がありましたので、その報告を行い、海外からの市長も含めて意見交換をいたしました。また、8月9日に行われた長崎原爆の日の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」にも参列し、原子爆弾の犠牲となられた多くの方々に哀悼の誠を捧げました。
1945年8月、広島と長崎に投下された原子爆弾によって、両市は一瞬にして壊滅し、21万人を超える尊い命が失われました。かろうじて助かった方々も、言葉では言い尽くせないほどの苦難の人生を歩まれ、現在もなお後遺症に苦しんでいる方が多くいらっしゃいます。被爆者の平均年齢は現在86歳を超え、全国の被爆者数も初めて10万人を下回りました。被爆体験を直接伺うことがますます難しくなっている今、原爆の実相や戦争の悲惨さを次世代に伝えていくことは、私たちの大きな責務であると感じております。昨年12月には、「日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)」がノーベル平和賞を受賞しました。放射線による苦しみの中で、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」との強い決意のもと、核兵器の非人道性とその廃絶を一貫して訴えてこられた被爆者の皆様の長年の活動が、国際的に高く評価されたものであります。安曇野市といたしましても、「平和都市宣言」を掲げる自治体として、戦争や核兵器の悲惨さを改めて見つめ直し、平和を願うすべての人々と手を取り合いながら、誰もが安心して暮らせる「戦争のない平和な世界」、そして恒久平和の実現に向けて、今後も力を尽してまいります。
それでは、市政の状況について、安曇野市総合計画に掲げております各目標に沿って報告いたします。
まずは、「いきいきと健康に暮らせるまち」についてです。
令和6年度に実施された、国の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づく定額減税および調整給付金給付事業において、令和6年所得の確定により給付額が不足している方や、定額減税、非課税給付の対象とならなかった方に対し、「不足額給付金」を支給いたします。対象となる約18,000人の方々には、8月18日から順次通知を発送しており、9月10日から順次給付を開始いたします。なお、申請手続きの簡略化のため、LINEを活用した電子申請も継続して受け付けており、デジタル技術の活用の効果を市民の皆様に実感していただけるものと考えております。また、令和6年度から予算を繰り越して実施している「安曇野市価格高騰特別対策支援金」につきましては、8月20日現在、住民税均等割のみ課税されている世帯2,089世帯に対し、総額6,267万円を支給いたしました。
次に、穂高病院では、令和8年4月の開設を目指し、体外受精などの不妊治療を行う「生殖補助医療センター」の設置に向けた準備が進められています。このことに関し、施設に必要な設備や医療機器の購入に対する支援を求める要望書が、7月24日に安曇野市へ提出されました。現在、安曇野市内には体外受精等の生殖補助医療を提供できる医療機関が無いため、希望される市民の皆様は、市外の医療機関を受診せざるを得ない状況にあります。穂高病院では、すでに不妊の原因となる子宮や卵巣の疾患に対する腹腔鏡手術を実施しており、また、安曇野市の出生数のおよそ4割の分娩も担っていただいております。今後、安曇野市内の身近な医療機関であり安曇野市以北、新潟近辺に至るまで、出産ができる唯一の病院である穂高病院において不妊症の診断から治療、出産までを一貫して提供できる体制が整うことは、市民の皆様にとって非常に有益であるとともに、安曇野市の少子化対策としても重要な取り組みであると考えております。こうした観点から、安曇野市としましても、医療機器購入への補助を行うため、9月議会に補正予算を計上いたしました。
安曇野市では、これまで「障がい者基幹・総合相談支援センター」の職員が医療的ケア児等コーディネーターを兼務しておりましたが、今年7月より、新たに看護師を専任で配置いたしました。これにより、専門性の高い相談や訪問支援が可能となり、医療的ケア児やそのご家族に寄り添った、きめ細やかな支援体制が構築されました。あわせて、関係機関との連携体制も強化され、地域ネットワークのさらなる充実にもつながっております。
堀金認定こども園の芝生園庭が完成し、7月24日には保護者や地元関係者をお招きして、「使い始め式」を行いました。芝生園庭の広さは、2,844平方メートルと、県内最大規模を誇ります。園庭の完成を心待ちにしていた子どもたちは、目の前に広がる青々とした芝生の上で寝転んだり、追いかけっこをしたりと、思い思いに芝生の感触を楽しんでいました。保護者の皆様からも大変好評いただいております。今後も安曇野市では、こども園の園庭芝生化を継続して推進してまいります。
また、三郷東部認定こども園では、新園舎が完成し、7月30日には地元関係者や工事関係者をお招きして竣工式を行いました。この新園舎は、令和4年度から事業に着手し、今年5月に竣工したものです。内装には堀金地域で伐採されたアカマツ材が使用され、木のぬくもりが感じられる空間となっております。園庭も芝生化され、園児が裸足で走り回ることができる環境が整備されました。8月2日には、「地元お披露目会」を開催し、地域の皆様にもご覧いただきました。子どもたちは、新しい園への期待に胸を膨らませ、8月18日から通園を開始しております。これにより、安曇野市立の認定こども園および幼稚園、計19園の耐震化は、すべて完了いたしました。
続いて、令和5年秋より着工した豊科中央児童館の新築工事が、9月に完成する予定となっております。市民の皆様からご要望いただいた「未満児遊戯室」や「相談室」を新たに設置したほか、屋外にはインクルーシブ遊具も導入し、多様な子どもたちが共に遊べる環境を整備いたしました。9月25日には竣工式を行い、11月から新児童館の開館を予定しております。
続きまして、「魅力ある産業を維持・創造するまち」についてです。
7月25日から27日までの3日間、関西圏を中心に長野県産の農産物等を活用する「信州上高地あずさ珈琲」と連携し、「安曇野SUNSUNマルシェinららぽーと甲子園」を兵庫県西宮市の「ららぽーと甲子園」、にて開催いたしました。このイベントでは、3日間で1,500本のスィートコーンを販売する一方、観光PRも行いました。関西圏の皆様に、「安曇野市」および「安曇野市産農産物」の魅力を広くPRすることができました。
また、9月6日から7日の2日間は、JR新宿駅ミライナタワー改札外にて「ルミネアグリプロジェクト」と連携した「安曇野市×あずさマルシェin LUMINE AGRI MARCHE」の開催を予定しております。こちらは、昨年、一昨年に続く開催であり、首都圏の消費者の皆様に向けて、農産物を通じて安曇野市の魅力を発信してまいります。
安曇野の夏の風物詩と言える「安曇野花火」が、8月14日に開催されました。市制施行20周年を迎える今年は、合併後まもなく開催された第1回の テーマ「安曇野はひとつ」を改めて掲げ、地域の皆様が一緒に花火を楽しみ、絆を深めていただけるよう、各地域の特色を表現したスターマインをはじめ、約4,000発の色とりどりの花火が打ち上げられました。当日は天候にも恵まれ、多くの皆様にご来場いただき、安曇野の夏を存分に感じていただくことができました。
次に、山岳観光におきましては、路肩崩落に伴い通行止めとなっていた「一般県道 槍ヶ岳矢村線 通称中房線」は、長野県による早期復旧工事により、お盆前の8月8日に通行可能となりました。復旧工事期間中は、観光事業者の皆様のご協力のもと、代替輸送体制が整備され、観光客の利便性確保に大変なご尽力をいただきました。長野県ならびに工事関係者、輸送にご協力いただいた観光関係事業者の皆様には、この場をお借りして深く感謝申し上げます。また、改めまして、この崩落事故により、尊い命が失われましたことに深く哀悼の意を表しますとともに、亡くなられた方のご冥福を心からお祈りし、ご遺族の皆様には謹んでお悔やみを申し上げます。
続いて、安曇野市内の「ものづくり企業」における人材確保に向けた新たな取り組みとして、今年度より「安曇野市オープンファクトリー事業」を開始しております。この事業では、県内外の大学生を中心に、安曇野市内の企業を訪問し、製造現場の体験や社員との交流を通じて、企業の魅力を直接知っていただく機会を創出しております。8月6日と7日に開催した見学会には、計15名の学生が参加し、参加者からは「職場相談会だけでは分からない企業の雰囲気や社員の様子を知ることができた」といった好評の声が寄せられました。また、参加企業の「伝える力」を高める機会として、見学会の様子を企業間で視察できる企画も併せて実施し、参加企業からは「今後の参考になった」等のご意見もいただきました。安曇野市内の企業は17社からエントリーがあり、今後は9月と12月にも、それぞれ2日間の見学会を予定しております。この事業を通じて、県内外の学生が安曇野市の豊かな自然や落ち着いて暮らせる環境にふれ、「住む場所」そして「働く場所」としての安曇野の魅力を実感していただけるよう、取り組んでまいります。
令和8年7月に、安曇野市マウンテンバイクコースにおいて開催されることが決定した「第39回全日本自転車競技選手権大会・マウンテンバイク」に向け、7月に大会実行委員会を設立いたしました。今後は、主催者をはじめとした大会関係者や地元団体の皆様と連携し、市民、関係団体、行政が一体となって、大会の成功に向けた準備を進めてまいります。また、この大会を契機として、自然豊かな安曇野市を舞台としたアウトドアスポーツの振興を図り、安曇野市の魅力を全国に広く発信することで、地域の活力向上にもつなげてまいります。
続きまして、「安全で安心に暮らせるまち」についてです。
6月26日には、株式会社アクティオと「レンタル機材の提供に関する 協定」を、また、7月30日には、穂高ビューホテル株式会社と「宿泊施設の提供に関する協定」を、それぞれ締結いたしました。株式会社アクティオとの協定により、災害発生時に仮設トイレや発電機などの必要な資機材を優先的かつ迅速に供給していただくことが可能となります。また、穂高ビューホテル株式会社との協定では、災害の発生またはその恐れがある場合に、市が宿泊費の一部を負担することで、一定の要件を満たす避難行動要支援者とその支援者の方が、穂高ビューホテルへ避難できる体制が整いました。このように、災害時における必要物資の確保や多様な避難場所の整備は、安曇野市が掲げる「安全・安心のまちづくり」を支えるうえで、極めて重要な要素であります。改めまして、協定の締結にご協力いただきました関係企業や団体の皆様に、心から感謝申し上げます。
7月13日、長野県消防学校において「長野県消防ラッパ吹奏大会」が開催され、安曇野市消防団音楽喇叭隊が出場し、県内12チーム中3位という過去最高位の好成績を収めました。このことは、日々の訓練を重ねられてこられた結果であるとともに、選手を支えてこられたご家族や所属分団の皆様のご尽力の賜物であり、 ご協力いただいた皆様には、深く感謝申し上げます。また、10月28日には、横浜市で開催される「全国女性消防操法 大会」において、「安曇野市消防団女性消防隊」が長野県代表として出場することが決定しております。現在、団員一丸となって大会に向けた訓練を重ねております。大会当日は、これまでの努力の成果を十分に発揮していただけるものと思います。市民の皆様も、ぜひ応援を賜りますよう、お願い申し上げます。
続きまして、「自然と暮らしやすさが調和するまち」についてです。
安曇野市では、市制施行20周年を記念して開催する予定の「安曇野環境フェア2025」に先立ち、そのプレイベントを9月14日に開催いたします。イベントのタイトルは、「ココリコ田中直樹さんと学ぼう!あづみ野の生きものたち」です。スペシャルゲストには、生きもの好きとして知られ、テレビ番組や書籍監修など、多方面で活躍されているココリコの田中直樹氏をお招きいたします。当日は、安曇野市に生息する多様な生きものの特徴や生態系について知り、学べる内容になっております。このイベントをきっかけに、自然環境への理解や関心を深めていただくとともに、未来を担う子どもたちをはじめ、多くの皆様にとって、「環境」を考える契機となることを期待しております。
続きまして、「学び合い人と文化を育むまち」についてです。
冒頭でも触れましたが、「戦後80年平和事業」の一環として、安曇野市がこれから実施する取り組みについてご紹介いたします。9月6日には、豊科公民館ホールにおいて「戦没者追悼式および被爆ピアノ・被爆樹コカリナ平和祈念コンサート」を開催いたします。追悼式では、先の大戦で犠牲となられたすべての方々に哀悼の意を表し、献花および黙とうを捧げます。また、コンサートでは、広島で原爆の被害を受けた被爆ピアノおよび被爆樹から作られたコカリナの演奏を通じて、平和への思いを新たにする機会といたします。当日は、豊科公民館ホールのホワイエにおいて、「安曇野の戦争遺跡」に関する展示も行います。入場は無料で、事前予約も不要となっておりますので、多くの方のご参加をお願いします。
続いて、安曇野市では、将来を担う若い世代が戦争の悲惨さを学び、平和について考え、行動する契機とするため、平成24年から中学生による「平和学習事業」を継続して実施しております。この事業は、今年で12回目となり、これまでに延べ250名に及ぶ中学生が参加してまいりました。今年8月6日に開催された「広島平和記念式典」には、被爆者や遺族の 代表をはじめ、過去最多となる120の国と地域の大使など、約55,000人が参加したとのことです。安曇野市からは、市内の中学生21名と松本大学の学生3名が式典に参加いたしました。また、9月13日には、この「広島平和記念式典」に参加した生徒たちによる体験発表会や平和トークディスカッションを、安曇野市役所の大会議室で開催する予定です。参加者の学びを市民の皆様と共有する貴重な機会となります。
続いて、安曇野市文書館では、後期企画展として、9月14日から12月28日まで「手記80年の時を越えて」を開催いたします。この企画展では、文書館が収蔵する軍事郵便や学校資料等の展示のほか、戦時下の安曇野の人々の暮らしを紹介する予定です。さらに、9月21日には、「昭和100年 清沢洌の視点から」と題し、國學院大學の柴田紳一准教授を講師にお迎えした講演会も実施いたします。
以上、ご紹介いたしました、いずれの平和記念事業も市民の皆様とともに平和の尊さについて学び、考える機会となることを願い、多くの皆様のご来場をお待ちしております。
続いて、6月にリニューアルオープンしました鐘の鳴る丘集会所を拠点に、東京藝術大学出身のアーティスト3名が安曇野市内に滞在し、制作活動を行っております。この取り組みでは、安曇野市内の金属加工工場やブルーベリー畑などを訪問、リサーチしながら市民の皆さんとの交流や堀金中学校美術部との共同活動、明北小学校でのワークショップなどを通じて作品を制作しております。完成した作品は、10月18日から26日までの9日間、穂高交流学習センターで展示する予定です。
また、京都芸術大学の大学院生10名も安曇野市を訪れ、豊科高校や南安曇農業高校の生徒と協働で作品を制作しました。こちらの成果は、9月20日から10月4日まで、高橋節郎記念美術館、穂高陶芸会館、貞享義民記念館にて展示を行う予定です。
さらに、8月30日にリニューアルオープンする安曇野市美術館では、オープン当日から10月5日までの間、市制施行20周年記念事業として「あづみ野ガラス工房40周年記念展」を開催いたします。今回の展覧会には、あづみ野ガラス工房の卒房生と現役スタッフ27名の作品のほか、多摩美術大学の名誉教授や退官された教授の作品も特別に出展されます。これから芸術の世界に歩み出す若手の作品から、ご自身の表現を確立されたベテランの作品まで、「ガラス芸術の今」をご覧いただける展覧会となります。
続いて、令和10年10月に開催されます「第82回国民スポーツ大会・ 第27回全国障がい者スポーツ大会」の開催地に長野県が正式決定したことを受け、安曇野市では、8月21日に「信州やまなみ国スポ・全障スポ安曇野市実行委員会」を設立いたしました。今後は、実行委員会を中心に市民や関係団体、行政が一体となって大会準備を進め、スポーツ振興の普及、発展と安曇野市の魅力を全国に発信する機会として取り組んでまいります。
続いて、8月23日には、「第34回信州安曇野薪能」を明科龍門渕公園で開催いたしました。当日は天候にも恵まれ、北アルプスを背景とした安曇野ならではの能楽公演となり、多くの皆様にご来場いただきました。公演を主宰いただきました青木道喜先生をはじめ、ご出演いただいた人間国宝の宝生欣哉先生には、心から感謝申し上げます。また、ご協賛賜りました企業の皆様、ご来場いただきました皆様にも厚くお礼申し上げます。
続きまして、「みんなでともにつくるまち」についてです。
7月23日から25日までの3日間、友好都市の福岡市東区の小中学生10名が安曇野市を訪れ、市内の小中学生と交流を行いました。参加者は、穂高神社や大王わさび農場を見学したほか、上高地の散策やそば打ち体験を通じて、お互いの友好を深めました。また、8月2日には、江戸川区花火大会にご招待いただき、安曇野市からは親子13組が参加しました。迫力ある花火に感動し、都会ならではの大規模な花火大会の雰囲気を存分に楽しむことができたと思います。さらに、8月7日と8日には、神奈川県真鶴町の小学生20名が安曇野市を訪れました。マレットゴルフや昆虫ライトトラップ体験、烏川渓谷緑地での森林散策と水遊び、絶滅危惧種であるオオルリシジミの模型づくりなど、安曇野の自然とふれあう夏の体験を楽しんでいただきました。
続いて、10月4日と5日の2日間、碌山公園において、市制施行20周年を記念した共生社会イベントを開催いたします。このイベントでは、共生社会と文化芸術をテーマとした「まんまるカラフルまつり」、市社会福祉協議会による「わんぱく広場ふれあいまつり」、 あづみの国際化ネットワークによる「あづみの国際DAY」を合同で開催いたします。多文化共生や地域福祉、文化芸術など、多様な交流と学びの場となる2日間です。多くの皆様のご来場をお待ちしております。
最後に、「その他の取り組み」についてです。
近年、カスタマーハラスメント、いわゆるカスハラが社会問題となっており、今年6月には、労働施策総合推進法が改正され、カスハラ対策が事業主の雇用管理上の義務とされました。安曇野市では、今年の4月から5月にかけて全職員を対象にアンケート調査を実施し、カスハラの実態把握と課題の整理に取り組みました。その結果、回答者688人中、直近2年以内にカスハラを受けたと回答した職員は196人(28.5%)に上り、うち半数以上が「乱暴・威圧的な言動」「人格否定・差別的な発言」「窓口や電話などでの長時間拘束」などの事例を経験していることが明らかになりました。
これを受けて、安曇野市では「安曇野市カスタマーハラスメント対策指針」を8月19日に策定、公表し、同時に市民の皆様に向けてカスハラ防止へのご理解とご協力をお願いするメッセージを発信いたしました。安曇野市は、カスタマーハラスメントを人権問題と捉え、職員が安心して働ける職場環境の維持を目指し、組織全体で毅然と対応してまいります。なお、市民の皆様からの正当なご意見やご要望には、これまでどおり丁寧かつ誠実に対応してまいりますので、引き続きご理解とご協力をお願い申し上げます。
次に、今年は、国勢調査の実施年にあたります。国勢調査は、国内における人口や世帯の実態を把握し、さまざまな行政施策の基礎資料とするための重要な調査です。安曇野市では、6月に「実施本部」を設置し、全庁を挙げて「調査の円滑な推進」と「事務の万全を期す」体制づくりに取り組んでおります。調査は、安曇野市内全域を677の調査区に分け、一般募集および調査員経験者等から選任した調査員230人と市職員220人が担当いたします。また、66人の指導員は市職員が担当し、9月中旬から調査の説明および調査票の配布を開始し、10月1日現在の状況を把握いたします。市民の皆様におかれましては、「インターネット回答」や「郵送回答」をできるだけ積極的にご活用いただき、円滑な調査の実施にご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
以上、市政の状況についてご説明しました。
本定例会に提出いたしました案件は、報告が7件、議案が34件で、この内、条例の関係が9件、予算関係が22件、その他が3件です。
最初に、一般会計補正予算(第3号)につきましては、14億6,000万円を増額し、歳入歳出予算の総額を、それぞれ524億9,100万円とするものです。
歳入は、交付額決定による普通交付税の増額、物価高騰対応重点支援地方創生交付金の増額、ふるさと寄附金の増額などによるものです。歳出は、市民活動サポートセンターの移設費用、子どもの医療費無償化に伴う福祉医療費給付費用、不妊治療に新たに取組む市内医療機関への支援費用、本陣等々力家の再生・活用に係る費用、全日本大会開催に伴う マウンテンバイクコースの一部拡幅費用の増額などによるものです。
次に、令和6年度一般会計の歳入歳出決算状況につきましては、歳入決算額は510億3,802万円、歳出決算額は498億746万円となり、令和7年度への繰越財源を控除した実質収支額は9億3,286万円の黒字となりました。一般会計と10の特別会計を含めた実質収支額の総額は、13億1,112万円となり、全ての会計において黒字決算となりました。一般会計、特別会計及び企業会計を合せた地方債残高につきましては、安曇野市発足直後の平成17年度末には957億円余りであったものが、令和6年度末には584億円余りにまで縮減しています。また、地方公共団体の財政の健全度を示す令和6年度健全化判断比率の算定では、将来負担比率等は算定されず、公債費による財政負担の度合いを示す実質公債費比率は7.9%となります。各指標において国の健全化判断基準を大幅に下回っていることから、健全な財政運営が維持されているものと捉えております。
以上、よろしくご審議いただきますようお願いいたします。
さて、これまで安曇野ブランドの向上や福祉の充実、子育て支援、防災対策などの分野に特に力を注いでまいりましたが、一定の成果を上げることができましたのも市民の皆様をはじめ、議員の皆様のご理解とご協力の 賜物であり、心から感謝申し上げます。一方で、まだ道半ばの事業や、やりかけた仕事もある中、これまで積み上げてきた成果をさらに発展させていく必要があると考え、7月24日、次期市長選への立候補を正式に表明させていただきました。今後も、皆様とともに「安曇野の未来」を築いていけるよう、誠心誠意努めてまいりますので、引き続きのご協力、ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。