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令和元年度「地域支え合い推進フォーラム」を開催しました
安曇野市地域支え合い推進フォーラムを開催しました
地域の支え合いや助け合いを推進することを目的に、2月23日(日曜日)市役所4階大会議室にて、「令和元年度安曇野市地域支え合い推進フォーラム」を開催いたしました。
フォーラムでは、日本老年学的評価研究機構宮國康弘氏による講演、また市内で活動をしている3つの団体をお招きし、パネルディスカッションを行いました。
当日は区長をはじめ、民生児童委員、老人クラブの方など250名の方に来場いただき、地域のつながりと健康長寿について、共に考えました。
- 「安曇野市地域支え合い推進フォーラム」支え合いの仕組みづくり「生活支援体制整備事業」により実施いたしました。
基調講演 「地域のつながりからみる健康長寿」
宮國 康弘(みやぐにやすひろ)氏(日本老年学的評価研究機構(JAGES(ジェイジス))理事)
映像: 基調講演<外部リンク> |
日本老年学的評価研究機構の宮國康弘さんからは、「地域のつながりと健康長寿」をテーマに、人口減少社会と人生100年時代の到来から、その対策として人々のつながりがもたらす幸福・健康への影響について、国内外のさまざまな調査研究を踏まえて解説いただきました。そして、人々とのつながりを促す仕組みについて、事例を交えて、分かりやすくお話いただきました。
人とのつながりと健康への影響として、国立長寿医療研究センターが高齢者14,000人を9年間追跡調査した結果では、家族との交流以外に友人、地域のグループ活動、就労をしているなど地域との多様なつながりがある人は認知症発症のリスクが半減していたとのデータを示していただきました。認知症は治す薬がない中で、予防には人とのつながりの影響は大きいと強調されました。ほかに、人とのつながりが死亡リスク、要介護リスクにも影響を与えているデータも示されました。
これからの人々のつながりを促すには、みんなで共通認識を得るために、これらのデータによる「地域の見える化」が必要と話されました。ある市では「地域の見える化」により、認知症、フレイルのリスクの高い地域が分かり、市の担当者と地域住民との意見交換から住民が集まる場をつくり、さらに移動販売車の誘致で買い物ニーズを満たすなど地域が活性化した事例の紹介がありました。この取組が進んだきっかけは、住民自身をやる気にした「地域の見える化」による共通認識からとの話でした。
最後に、これまではお金を増やす人、「金融資本」に価値を置いていたが、これからは人とのつながりが持てる人、「社会関係資本」への価値も着目されており、人々のつながりで幸福・健康な安曇野市に進んでいくことを期待しているとまとめられました。
生活支援コーディネーターの紹介
映像: 生活支援コーディネーター紹介<外部リンク> |
人々のつながりと社会参加をすすめるため、現在、市内で活躍している「生活支援コーディネーター」の紹介をしました。それぞれの地域での取組、生活支援コーディネーターの思いを伝えました。介護予防や生活支援の仕組みづくりに、お住まいの地域の生活支援コーディネーターが相談に応じます。
お気軽にお声がけください!
パネルディスカッション 「地域のつながりでいきいき健康長寿」
◆パネリスト
(1)ひといちばシニアクラブ
代表 藤澤 靖雄(ふじさわ やすお)氏
(2)岩原区
区長 田口 哲邦(たぐち てつくに)氏
(3)NPO法人社会生活サポートチーム風を詠む
理事長 玉井 英男(たまい ひでお)氏
◆助言者
JAGES(ジェイジス)理事 宮國 康弘(みやぐに やすひろ)氏
市民生活部長 宮澤 万茂留(みやざわ まもる)
◆コーディネーター
福祉部長 野本 岳洋(のもと たけひろ)
資料(1) : ひといちばシニアクラブ [PDFファイル/2.33MB] |
資料(2) : 岩原区 [PDFファイル/3.64MB] |
映像 : パネルディスカッション<外部リンク> |
(1)ひといちばシニアクラブ
三郷一日市場にある「ひといちばシニアクラブ」は、地区にあった老人クラブの解散後、参加者からのアンケートを取るなど、これまでの内容、運営を見直し、平成22年に発足しました。主題を「楽しむ・遊ぶ・動く・家から出る、友だちをつくる」とし、介護の予防の予防の予防の会(予防の3乗)としました。
現在、会の中にはウォーキング、健康体操、カラオケ、マージャン、地域学習会、花壇づくりなどサークル活動が12。年間サークルカレンダーを作成し、活動日を周知しながら、それぞれのリーダーが楽しみながら企画運営をしています。
人生100年時代、ますます元気にシニアクラブを継承していきたいと話がありました。
(2)岩原区
常念岳のふもと、堀金「岩原区」では、伝統行事の継承とともに、多様な団体が地域の魅力を発信し、活発に活動をしています。
市の無形文化財に指定されている春の山神社祭典では、子どもたちに地域の行事に参加、親しんでもらいたいと子ども舟を運行しています。祭典を通じて、世代を超えて交流がうまれています。また、区内の介護事業所の利用者は、地区社協などの茶話会に一緒に参加して交流を深めています。ほかに岩原自然と文化を守り育てる会では、ガイドブック「これぞ安曇野岩原のタカラ」を発行し、岩原区を盛り上げてくれています。
岩原区では、これからも地域のつながりを大切に、それぞれの活動を盛り上げ、高齢者の見守り、子どもたちを見守れる環境づくりを進めたいと話されました。
(3)NPO法人社会生活サポートチーム風を詠む
成相区の介護事業所「社会生活サポートチーム風を詠む」は、区内にある事業所として、区の清掃活動や防災訓練などに参加、備品の提供をする中で、自分たちの専門性や経験を地域のために活かし、地域の方がつながれる場はできないかと考え、講演会をはじめました。
現在、相続の専門家をお迎えし、成相区のコミュニティセンターでエンディングノートづくりをしています。これからの人生をよりよく生きていくために、自分や家族のことに思いを巡らせる時間となっています。毎回、講義のあとはお茶をのみながらグループで語りあう時間を設け、思いを共有しています。
今後は、エンディングノートの内容を軸としつつ、介護分野、医療分野などのゲストを迎えるなど、介護事業所が地域に貢献できる形を考え、多くの方のご縁をつなげられるよう、継続していきたいと話されました。
パネルディスカッション まとめ
宮國さんからは、共通して聞かれる会員・参加者不足について、人を巻き込むための方法についてご助言いただきました。一つ目は明確に伝える広報の工夫、二つ目は影響を与える人(オピニオンリーダー)による口コミ。三つ目は活動の発信。多様なツールがある時代であり、関心を広げてもらえるように取り組んでほしい。困ったときは、生活支援コーディネーターにも相談してほしいと話されました。
地域づくりを担当している宮澤市民生活部長からは、地域共生社会、ワークライフバランスがいわれている中、地域に出て人と出会ってつながっていくことは、自分自身にとって新たな発見や価値がうまれてくる機会になる。ぜひ、地域とのふれあいの時間をつくっていってほしいと話されました。
コーディネーターの野本部長からは、市は2025年に介護保険料が7000円を超えると試算しているが、地域のつながり、さまざまな地域活動の盛り上がりが、結果として保険料の低減にも表れるのではないかと考えている。これからは元気な高齢者を増やしていくことがますます重要で、それを支えるのは地域の皆様のつながりである。市民、関係者、行政が一緒になって取組をすすめていきたいとまとめられました。
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