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松くい虫被害のメカニズム

記事ID:0001165 更新日:2022年4月1日更新 印刷ページ表示

概要

 松くい虫の被害により松が枯れる「マツ材線虫病」は「マツノザイセンチュウ」によって引き起こされる萎凋病であり、夏から秋にかけて急激に松が枯れる。日本最大の森林病虫害であり、伝染性が高い。感受性の松(二葉松:クロマツ・アカマツ・リュウキュウマツ、五葉松:ヒメコマツ・ヤクタネゴヨウ等)が発病しやすいが、カラマツも感染することがある。

 発病による症状

  (1) 傷をつけた箇所から次第に樹脂(松ヤニ)が出なくなる ※皮ポンチ法 小田式診断法判定基準参照

  (2) 他の葉枯れ病とは異なり、前年の葉(幹近く)が先にしおれた後、新葉が急にしおれて赤褐色となる。

マツノザイセンチュウ(病原体)

マツノザイセンチュウ(顕微鏡画像)

体長1mm程度の線虫の一種。北米原産。北アメリカからの輸入材に潜入し、日本へ侵入したと言われている。菌類を餌として、爆発的に増殖する。

越冬後、カミキリの蛹室に集まり、蛹から成虫に羽化したばかりのカミキリに乗り移る。その数は1,000〜10,000頭とも言われる。

線虫が侵入した箇所から水分が通導しない(水を吸い上げない)部分が増え、最終的には全身の水分通導が停止する(枯死)。

マツノマダラカミキリ(媒介者)

マツノマダラカミキリ

体長3cm程度のカミキリムシの一種。北海道を除く日本各地、朝鮮、中国、台湾に分布する。風に乗れば2kmは飛ぶ。成虫の雌雄は触覚の長さで見分ける(雌<雄)。

衰弱した松と枯れたての松に、1個体あたり平均60個産卵する。越冬後、蛹となり、松本地域では6月中旬から7月中旬に飛び立つ。成虫は健全な松の枝をかじる。このとき、センチュウが体内にいると、カミキリから離脱し、後食跡を通じて松に侵入する。

松くい虫発生のメカニズム

松くい虫発生のメカニズム(図解)…春から夏にかけて松の皮を食べるため、マツノマダラカミキリが松にやって来ます。この際、カミキリに乗ってきたマツノザイセンチュウが松に侵入、秋から冬にかけて増殖・繁殖し松を衰弱させます。そこへ成虫となったマツノマダラカミキリが戻り卵を産み、その卵が羽化、マツノマダラカミキリを連れて他の松へ移動し感染を広めます。これが繰り返されることで、松くい虫被害が広がります。

対策とお願い

 上記のサイクルを断ち切るためには、枯れた松にいるカミキリムシが飛び立つ前に、伐採を行い、くん蒸(薬剤処理)や破砕(チップ処理)して駆除することが必要となります。

 緊急の際は、山林所有者様には事前の連絡なく、枯れた松の伐採等を行う場合もございますので、何卒ご了承ください。市による介入をご希望でない場合は、下記までご連絡をお願いいたします。

 また、処理した枯れた松を敷地外へ持ち出すことはありません。産業廃棄物として処理が必要な場合を除き、くん蒸の薬剤ボトルやシートは「燃えるゴミ」による処分が可能です。

 近年、山林地域のみではなく住宅地や別荘地においても被害が確認されています。大切な松を守るためにも、被害等についてお気づきの際は、下記までご連絡ください。

くん蒸処理とは

 cカミキリ及びセンチュウがいると思われる枯れたての松を切り倒し、枝葉も含めて並べた後、薬剤をかけてシートで覆う駆除方法です。

 農薬取締法に基づき検査され、安全性が確認された農薬と生分解性シートを使用しています。

 

樹幹注入や薬剤散布とは

d 松を守るための予防として、薬剤を直接注入する方法や、空中や地上から散布する方法があります。

 樹幹注入 : ドリル等を用いて、幹周や樹高に応じた薬剤量を注入し、侵入してきたマツノザイセンチュウを殺したり、増殖を防いだりします。

 特別防除(有人ヘリによる空中散布)・地上散布 : 薬剤を散布し、松に飛来したマツノマダラカミキリを殺します。

問い合わせ

農林部 耕地林務課 林務担当

電話 0263-71-2432  ファックス 0263-71-2507

松本広域森林組合

電話 0263-77-2413  ファックス 0263-77-2635

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