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松くい虫の被害により松が枯れる「マツ材線虫病」は「マツノザイセンチュウ」によって引き起こされる萎凋病であり、夏から秋にかけて急激に松が枯れる。日本最大の森林病虫害であり、伝染性が高い。感受性の松(二葉松:クロマツ・アカマツ・リュウキュウマツ、五葉松:ヒメコマツ・ヤクタネゴヨウ等)が発病しやすいが、カラマツも感染することがある。
発病による症状
(1) 傷をつけた箇所から次第に樹脂(松ヤニ)が出なくなる ※皮ポンチ法 小田式診断法判定基準参照
(2) 他の葉枯れ病とは異なり、前年の葉(幹近く)が先にしおれた後、新葉が急にしおれて赤褐色となる。
体長1mm程度の線虫の一種。北米原産。北アメリカからの輸入材に潜入し、日本へ侵入したと言われている。菌類を餌として、爆発的に増殖する。
越冬後、カミキリの蛹室に集まり、蛹から成虫に羽化したばかりのカミキリに乗り移る。その数は1,000〜10,000頭とも言われる。
線虫が侵入した箇所から水分が通導しない(水を吸い上げない)部分が増え、最終的には全身の水分通導が停止する(枯死)。
体長3cm程度のカミキリムシの一種。北海道を除く日本各地、朝鮮、中国、台湾に分布する。風に乗れば2kmは飛ぶ。成虫の雌雄は触覚の長さで見分ける(雌<雄)。
衰弱した松と枯れたての松に、1個体あたり平均60個産卵する。越冬後、蛹となり、松本地域では6月中旬から7月中旬に飛び立つ。成虫は健全な松の枝をかじる。このとき、センチュウが体内にいると、カミキリから離脱し、後食跡を通じて松に侵入する。
上記のサイクルを断ち切るためには、枯れた松にいるマツノマダラカミキリが羽化・脱出する前に伐採し、くん蒸や破砕(チップ処理)等をして駆除することが必要です。
また、枯れてから相当時間が経過した松は、倒木による二次被害の危険性が高くなります。
市では、枯れた松の伐採や健全な松の予防に対し、補助金【/soshiki/30/10928.html】を交付しております。ぜひご活用ください。
農林部 耕地林務課 林務担当
電話 0263-71-2432(直通) ファックス 0263-71-2507
松本広域森林組合
電話 0263-77-2413 ファックス 0263-77-2635