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平成30年(2018)10月1日に開館した安曇野市文書館は、今年開館5周年を迎えます。この5年のあゆみを数字と写真で振り返るとともに、広報紙や刊行物を中心に展示し、安曇野市に文書館があることの素晴らしさをお伝えします。
日 時 令和5年5月14日日曜日から8月31日木曜日まで
午前9時から午後5時まで
休館日:土曜日、祝日
場 所 安曇野市文書館1階閲覧コーナー
費 用 無料
平成30年(2018)10月1日に開館した安曇野市文書館は、今年開館5周年を迎えます。
この展示では、5年間のあゆみを収集、保存利用、普及啓発、調査研究の視点で振り返り、市民の皆様の文書館への関心をより一層深めると共に、安曇野市が文書館を持つことの意味や課題について考えます。
また、収蔵資料の中から、地域の情報誌として旧自治体や公民館が発行した広報紙・刊行物を通して、安曇野地域の近現代の政治や生活、文化についての理解を深めます。
安曇野市では、古文書等の地域資料は平成21年から、公文書は平成24年から、収集・保存に取り組んできました。
地域資料については、開館後毎月2件ほどずつ所有者から相談をいただいています。お預かりした資料は、燻蒸、撮影、調査(目録作り等)をします。その後、所有者からの寄贈または寄託(原本は所有者が管理し、複写資料を文書館が管理する)手続きを経て、市民の皆さんに提供することができるようになります。これまでに大学の研究者を含め、多くの方が資料利用のために来館されています。
文書館では市民の学術、文化および生活の発展に寄与するための教育普及活動や調査研究に取り組んできました。
〈教育普及〉
・収蔵資料を紹介する企画展
・企画展に関連した講演会や講座
・古文書初級講座
・文書館への理解を深めるためのバックヤードツアー
・出前講座(公民館等)
・出前授業(学校)
・収蔵資料目録のWeb公開
〈調査研究〉
・調査研究の成果『文書館紀要』の発刊
・安曇野市誌編さん事業
・地域資料の積極的な調査
←写真で見るこの5年 展示の様子
令和4年度末現在、文書館の収蔵資料の点数は、公文書67,231点、地域資料79,174点、合計すると146,405点となっています。平成30年10月1日開館時は59,117点だったので、その頃から比較して約2.5倍となっています。収蔵資料の点数の推移やその内容について数値で紹介します。
長野県内には、市町村立文書館が7館あります。その中で所管が教育委員会となっている館は、安曇野市を含め3館です。「安曇野市文書館条例」第1条には「市の教育、学術、文化及び生活の発展に寄与するため、安曇野市文書館を設置する」とあり、これが当館が教育委員会の所管となっている根拠です。この設置目的を評価するひとつの指標として、文書館利用者数の推移を紹介します。
←数字で見るこの5年 展示の様子
開館5年が経過し、利用者数や相談件数も増え、市民の皆さんの間でも少しずつ当館の認知度が高まってきました。一方で課題も明確になってきています。文書館運営審議員の意見を反映させながら、改善に向けて一歩ずつ進めていく必要があります。
←課題 展示の様子
自治体などの公的機関が発行する広報紙は、「広報あづみの」や「市議会だより」など、多岐にわたっています。当館には、戦前の広報紙としては「有明村報」1紙が収蔵されています。
戦後、昭和21(1946)年7月に文部次官通牒「公民館の設置について」が示されました。公民館設置に併せて、各町村では「公民館報」が発刊されています。当時の「公民館報」には、社会教育活動以外に町村政、経済等多方面の情報が掲載されています。それがその後の「町村報」の発刊につながっていきました。
安曇野市合併前の旧5町村の広報紙は、毎月発行されていました。町村政以外に農事、教育、観光、文芸の投稿などもあります。これを見れば、当時の町村民の生活や文化などを時系列で知ることができます。
戦後、青年団や学校PTA活動なども盛んになりました。その中で、活動の内容を多くの人に知ってもらおうと、各団体から機関紙が発行されます。紙面を通して当時の人たちの意識や考え方を知ることができます。
←広報紙から時代を見る 展示の様子