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「ふゆ水田んぼ」の取り組み

記事ID:0002495 更新日:2015年10月29日更新 印刷ページ表示

「ふゆ水田んぼ研究プロジェクトチーム」の活動内容

ふゆ水田んぼとは

安曇野市では、モデル地区を設定し、冬期間水田に水を張る“ふゆ水田んぼ”を実施しました。ふゆ水田んぼは、冬の間も田んぼに水を張り、春まで水を貯めておくことにより、抑草効果や施肥効果があると言われています。また、水資源の保全につながるとの見方もあります。

実施主体

安曇野市農業再生協議会 (旧安曇野市営農支援センター)

「安曇野市農業再生協議会」とは・・・安曇野市の農業に携わる行政、農業関係機関、団体および生産者が一体となり、効率的かつ安定的な農業経営の育成と、農村の活性化を図れる方針を策定し、多彩で活力ある地域農業の振興に役立てることを目的としています。

この実験の目的

収穫の終わった田んぼに冬の間水を張り、「付加価値の高い水稲栽培」と「環境保全」に着目した“田”の持つ多目的機能の研究を行いました。

取組内容

平成22年8月23日に安曇野市農業再生協議会(旧安曇野市営農支援センター)内に「プロジェクトチーム」を編成し、先進地視察をはじめ、同年から市内5カ所(合計面積約1.3ヘクタール)を実験田んぼと定め、3年間の調査データを収集し、安曇野に合った「ふゆ水田んぼ」の取り組みを検証しました。

プロジェクトチーム構成員

市農業委員・信州山葵農業協同組合代表・松本農業改良普及センター・JAあづみ・JA松本ハイランド・市役所等  19名
実験田んぼ場協力農家(オブザーバー)5名
                                  合計24名で構成しています。

平成23年度から平成25年度までの取り組みの検証結果

「ふゆ水田んぼ」検証場所(平成23年度)

「ふゆ水田んぼ」検証場所(平成23年度)

検証結果・考察

3年間の検証結果からは、主に次のことが分かりました。

  • 米の食味値(蛋白・アミロース等)については、市内の平均値と比較しほぼ変化がみられないものの、3年目にして多少、評価が上昇しました。
  • 反収(10a当たり収量)については、3年目にして市内の平均値を大きく下回りました。
  • 冬期間の水管理に手間(労働時間)が掛かり、農家の負担が大きくありました。

 このようなことから、本市においては、冬期湛水を行うことによる農家へ対するメリットははるかに小さいことが分かりました。
 また、田の多目的機能として、一定期間田に水を張ることで地中へ水が浸透し、地下水涵養(かんよう)効果が得られる環境保全機能がデータから明らかになりました。ただ、冬期間の用水路の水量は、夏期に比べ潤沢でないことと、用水路の「維持管理用水」として、下流域へ流さなくてはならないことから田への流入は、難しいと考えられます。

 このように、市農業再生協議会が取組んだ事業については、3年間の検証結果を得たことで平成25年度をもって終了いたしました。