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まちづくりの人財 No.7

記事ID:0082498 更新日:2021年9月21日更新 印刷ページ表示
私たちが暮らす安曇野市を豊かにしようと、まちづくりに取り組んでいる市民の皆さんがいます。
「どんな思いで活動しているか」「活動を始めたきっかけは」…。
その一端をご紹介していきます。

古田春江さん(73歳) やまこの学校を設立、運営

伝統産業、里山文化を継承 天蚕に魅せられ県外から移住

古田春江さん 天蚕飼育の伝統を伝える市民グループ「やまこの学校」が、9月5日に国営アルプスあづみの公園堀金・穂高地区で開いた講座「コサージュ製作体験」。小学生の子どもたち約20人が、繭を花びらの形に切り、3~4枚になるように薄く剥がして花型のコサージュを完成させた。繭の中にいたサナギを目にした参加者は「初めて見た」「食べられるの」などと驚いた様子だった。

 「地域の伝統産業、里山文化を少しでも知ってもらえたらうれしい」。平成24年にやまこの学校を設立した古田春江さんは、講座の様子を見守りながらそう話した。同公園で開いている「幼虫観察」や「コサージュ製作体験」などの計10講座は、いずれもやまこ(天蚕)の生態や特徴が分かるよう内容を工夫しているという。

 

コサージュ製作体験 コサージュ製作体験

(上の写真) コサージュ製作体験の様子

コサージュ 天蚕コサージュ

(上の写真) 左の製作キットを完成させると右のような花型の天蚕コサージュになる

 旧穂高町の有明地域は、淡緑色で独特な光沢をもつ糸が取れる天蚕の飼育が伝統的に続けられてきた。古田さんは千葉県内で公務員として働いていたが、山登りが好きで旧穂高町を何度も訪問。平成8、9年頃、有明の個人宅で天蚕糸を目の当たりにし、「光沢にすごく引き付けられた。他の物とは違うと感じた」と感動した。

 元々、虫の飼育に興味があったため、「好きなことをライフワークにして達成感を味わいたい」と思い立ち、平成11年にIターン。平成14年に旧穂高町役場が開校していた「やまこの学校」を受講し、翌年からやまこの飼育を始めた。安曇野市天蚕振興会の事務局を担当した後、平成24年に市民グループとしての「やまこの学校」を立ち上げた。

 会を設立する際、地元住民に話を聞いたら「どういう場所で飼育しているか知らない」「緑色は染めているの?」といった言葉が返ってきた。「伝統産業、里山文化と言われてきた『やまこ』だが、市民の間で知られていなかった」と振り返る。やまこの生態や農家が飼育している背景を知ってもらい、身近に感じてほしいとの思いを強くした。

やまこの学校 やまこの学校

(上の写真) やまこの学校による講座の様子

 借りた林で飼育してきたが、平成28年から国営アルプス安曇野公園堀金・穂高地区を拠点に活動。開校以来の講座参加者は9年間で300人余に上る。公園の他に個人で管理している飼育林は3800平方メートルになり、毎年約1万粒の繭を生産している。

 令和2年度から、講座受講生のうち希望者が運営に携わる運営委員制度を取り入れている。現在、運営委員は15人おり、「将来を考えながら活動を継続していける体制にしていきたい」。安曇野に根を下ろして約20年になり、「あの時に決断したから世界がとても広がった。毎日きれいな空気を吸い、違う景色を見ることができる。楽しい毎日です」とうなづいた。

 

(掲載情報は取材日の令和3年9月5日時点です)

※1枚目の写真は撮影時のみマスクを取っていただきました。

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