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「まち歩き自体は誰でも簡単にでき、まちとつながるきっかけにもなる。より地域を知りたくなった時、その受け皿となる良質で楽しいまち歩きツアーを提供することで、結果的にまちづくりに貢献できればうれしい」。
案内人(ガイド)の専門性や個性を生かしたまち歩きツアーを開催する任意団体「ココブラ信州実行委員会」のディレクター(代表)を務める。平成31(2019)年春に始め、同年は27件のツアーを展開。新型コロナウイルスの感染拡大で令和2年は4件に減ったが、令和3年は30件に増加した。今年は50件を目標に掲げ、「開催地域もこれまでの中信地域から拡大していきたい」と見据える。
ココブラ信州のツアーは、訪れる場所やコースよりも案内人が好きだったり専門だったりする分野を前面に打ち出している点が特長だ。コース名も例えば、「狛犬研究家と歩く、松本の狛犬たちに会いに行くツアー」「まちを知り尽くす建築家と巡る、南深志の建物と生業」など案内人の顔が見えるよう工夫。「まち歩きツアーはエンターテイメント。お客さんにより楽しんでいただくため、案内人の個性を生かした物語性のある内容を目指している」と強調する。
和歌山県出身。仕事の関係で29歳だった平成10年に旧穂高町(現在の安曇野市)に移り住んだ。「当時は地域づくりに関わっていなかった」というが、次第に知人が増え、その知人らが平成18年に立ち上げた「NPO法人信州ふるさとづくり応援団」(現在のNPO法人安曇野ふるさとづくり応援団の母体)に設立後間もなくから携わっている。
安曇野市などを舞台としたNHK連続テレビ小説「おひさま」が平成23年に放送されると、多くの観光客が同市内に訪れるようになった。知人から誘われる形で同年、主に市外・県外の観光客に向けてガイドツアーを行う「安曇野案内人倶楽部」の立ち上げに関わり、事務局長を経て現在は会長を務める。
(左の写真) 狛犬についてガイドする高松さん
「自分自身、地域に対しての関心の度合いが変わってくる。楽しいし、はまった」とまち歩きツアーの魅力を語る。県外のツアーに参加するなど精力的に研究を重ねる中で、「その人にしか語れない専門的な知識をテーマにしたツアーは大きな魅力になる」と感じた。有志とともに企画を進め、ココブラ信州を始めた。
ココブラ信州を始めて4年目となる今年は新型コロナの終息が見通せない中だが、「感染予防対策を徹底した上で、驚きや新発見が生まれるツアーを提供していきたい」と話している。
(掲載情報は取材日の令和4年1月11日時点です)
※写真撮影時のみマスクを取っていただきました。